研究課題/領域番号 |
19H01320
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
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研究分担者 |
小茄子川 歩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 客員准教授 (20808779)
塩野崎 信也 龍谷大学, 文学部, 講師 (70801421)
春田 晴郎 東海大学, 文化社会学部, 教授 (90266354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フロンティア / 歴史 / 山岳 / アジア |
研究実績の概要 |
2020年度および2021年度については、コロナ禍の影響で海外調査が実施できなかったため、個別研究と、オンラインおよび対面研究会の開催を持って共同研究の手がかりとせざるを得なかった。2020年8月28日には外部からの講師を招き、オンラインで衛星写真の活用方法についてのセミナーを開催し、これを受けて、イラン高原北部(トルクメニスタンとの国境にあたるキョペダウ山脈)の精細衛星写真を購入し、地形や遺跡候補の確認、関連文献との照合を行った。その結果の一部を2021年12月28日の研究集会で、代表者稲葉が報告した。また分担者である春田晴郎も、同研究集会にてザグロス山脈の古代史についての最新研究知見を加味した報告を行った。2022年3月14日には、同じく分担者の小茄子川歩が、パキスタン北西部の山岳地帯とインダス文明の関連について、やはり最新の考古学的知見を含めた報告を行い、塩野崎信也はコーカサス山脈の南北を挟む近世近代の人の動きに関わる報告を行った。一年間の事業期間延長が認められたおかげで、2022年度には渡航制限が緩和され、本科研二回目の海外調査を行うことができた。対象としたのは中央アジアのキルギス共和国、イシククル湖周辺で、古来より東西を結ぶ重要なルートとなっていた同地域の地理環境、道路状況と、遺跡分布に関するサーヴェイを実施した。特に湖北側と南側の山岳地形の大きな差が、天山山脈越えルートと、北のセミレチエ・ルートの間に利用形態の差を生んでいたのではないか(タリム盆地と連絡する南側と、カザフ草原との直接ルートが遮断される北側)との仮説を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外調査を旨とする科研であるにもかかわらず、2020年度、2021年度の二年間、渡航調査が不能であったことが大きく響いている。途中、衛星写真研究等で補うことを試みたが、実地調査にかえることができず、本科研の目指すところに到達できたとは言いがたい。それでも延長が認められた2022年度には代表者、分担者がそろって中央アジアの実地調査を実施し、その間さまざまな点について学術的議論を行い得たことで、少しは遅れを取り戻せたのではないかと考え、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
本事業で達成できなかった点(特に現地調査)と、逆に新たに得られた知見(衛星写真の分析や利用方法)を活かし、山岳フロンティアの歴史的実態、比較史、理論的枠組といった点について補助期間終了後も研究を深めていきたい。
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