研究課題/領域番号 |
19H01322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
太田 淳 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50634375)
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研究分担者 |
赤坂 郁美 専修大学, 文学部, 教授 (40574140)
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50534054)
長田 紀之 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター動向分析研究グループ, 研究員 (70717925)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 植民地期東南アジア / 気候 / 降水 / 洪水 / 農業 |
研究成果の概要 |
1860年代-1920年代におけるジャワの稲作、バタヴィアの洪水、エーヤーワディー川流域の稲作、ルソン島の各種農業における異常気象の影響を分析した。その結果、異常な降水によってジャワ、エーヤーワディー側流域、ルソン島では大規模な不作が生じ、バタヴィアの洪水は大規模化して農業地域にまで及んだことを明らかにした。 また、アチェ戦争に従軍したオランダ海軍の船舶が、航海日誌に気象記録を残していることを確かめた。このデジタイズとデータベース化を進めるとともに、人文歴史気象学というコンセプトの理論的位置づけについて検討を行った。
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自由記述の分野 |
東南アジア史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、1860年代-1920年代の東南アジア各地において、異常気象が不作や洪水、疫病などをもたらし、農村・都市社会に大きな影響を与えていたこと、およびそのプロセスを明らかにした。植民地期アジアの歴史気候資料は現在公開・デジタル化されて利用が進みつつあるが、本研究はそれらの資料の分析に基づいて異常な降水パターンが農村や都市社会に与えた影響を明らかにした最初期の研究成果の一つと言える。ここから得られた知見は、気候の温暖化と極端化が進みつつある現代の東南アジアや日本において、社会がどのように環境に適応し共生していくかについて重要な視座を与えるものとなろう。
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