研究課題/領域番号 |
19H01327
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
松川 節 大谷大学, 社会学部, 教授 (60321064)
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研究分担者 |
三宅 伸一郎 大谷大学, 文学部, 教授 (00367921)
二神 葉子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 室長 (10321556)
小野 浩 京都橘大学, 文学部, 教授 (40204250)
白石 典之 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40262422)
山口 欧志 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50508364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大ブルカン・カルドゥン山 / チンギスカンの陵墓 / ユネスコ世界文化遺産 / モンゴル帝国 / 文化遺産学 |
研究実績の概要 |
本研究は、1)大ブルカン・カルドゥン山とチンギス・カンを結びつける歴史資料及び現地伝承を博捜し、チンギス・カン陵墓所在地について歴史文献学的な結論を提示するとともに、2)大ブルカン・カルドゥン山の保存・保護、観光マネジメントに関して文化遺産学的研究を行い、3)この貴重な遺産を過去から未来へといかに継承していくかを明らかにすることを目的とする。 2019年度は、①国内研究会を2回開催(6月15日と1月18日、於:大谷大学)して原典史料の会読とモンゴル側が提示している保存保護策の検討を行い、②現地モンゴルでは1)に重点を置き、現地資料・伝承の収集研究を行った。 ①第1回国内研究会にて研究協力者の松田孝一(大阪国際大学名誉教授)が「ブルカン・カルドゥンについての文献資料(ペルシャ語、モンゴル語、漢語)」、同じく研究協力者の本中眞(元・内閣参事官)が「富士山-信仰の対象と芸術の源泉-その世界遺産登録への経過と今後の方向性」と題して報告した。第2回国内研究会に合わせてモンゴル側研究協力者のB.ツォクトバータル(モンゴル科学アカデミー考古研究所)とB.ハシマルガド(モンゴル国自然環境省ハン・ヘンティ特別保護行政局)を招聘し、「ブルカン・カルドゥン山の調査経緯」、「世界文化遺産登録後のブルカン・カルドゥン山」と題する報告を得た。また、研究分担者の小野浩(京都橘大学)が「ブルカン・カルドゥン山についてのペルシャ語資料」、研究協力者の大高康正(静岡県富士山世界遺産センター)が「富士山信仰史の諸段階─16世紀までを中心に」、研究協力者の堀内眞(山梨県立富士山世界遺産センター)が「17世紀以降の富士山信仰─冨士講および富士道の調査成果─」と題してそれぞれ報告した。②松川が現地調査(4/25-5/6、10/8-10/15)を行い、また松川と研究協力者の伊藤崇展が現地調査(8/4-8/21)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の主たる目標である「大ブルカン・カルドゥン山とチンギス・カンを結びつける歴史資料」の収集・会読については国内研究会を2回開催(6月15日と1月18日)することによって研究の基盤を構築することができた。また現地モンゴル国のヘンティ県大ブルカン・カルドゥン山周辺及び西部のホブド県、バヤンウルギー県、ゴビアルタイ県にて延べ38日間の調査を実施し、現地伝承の収集研究を行うことができた。 また、文化遺産学的観点から、世界遺産富士山との比較研究を開始することができており、初年度の研究計画は概ね順調に進行した。 しかしながら、2020年2月に計画していた現地調査が新型コロナウイルス蔓延のため実施できず延期としたことにより、研究計画の一部は達成できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究計画は、新型コロナウイルス蔓延のため一部の実施を延期したが、概ね計画通りに実施できているため、2年目以降も当初計画通りに進める予定である。ただし新型コロナウイルス蔓延により海外調査が実施できない場合は、それぞれの研究者が文献資料や報告書を収集・集積・データベース化するなど、現地に赴かずに実施できる研究内容にシフトすることを検討していく。
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