研究課題/領域番号 |
19H01328
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高山 博 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (90226936)
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研究分担者 |
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 教授 (00431883)
草生 久嗣 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10614472)
大貫 俊夫 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30708095)
亀長 洋子 学習院大学, 文学部, 教授 (40317657)
藤崎 衛 上智大学, 文学部, 准教授 (50503869)
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 准教授 (60635788)
菊地 重仁 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80712562)
小澤 実 立教大学, 文学部, 教授 (90467259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中世 / ヨーロッパ / 統治 / 境域 / 地中海 / ビザンツ / 聖界 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
本年度、コロナウイルスの感染拡大のため、当初の計画に従って対面の会議などを開催することは困難であったが、研究代表者並びに研究分担者は、研究計画に従ってそれぞれの調査を進めた。加えて、オンラインを通じた研究会並びに共同研究の成果を刊行した。 本科研メンバーによって構成される政治的統合体研究会を3回開催した。8月3日にメンバー全員による全体会議をまず開催した。12月28日は、内川勇太「アングロ=サクソン後期イングランドの統治における文書使用:令状以前の書簡使用の実態をめぐって」並びに纓田宗紀「中世教皇庁の財務管理ネットワーク:北欧における聖地支援金徴収の事例から」が報告された。続けて3月26日には仲田公輔「10世紀におけるビザンツのアルメニア統治政策と在地有力者のネットワーク」並びに柴田隆功「10世紀イタリア王国における法知識とその実践:オットー1世の立法から」が報告された。これらの報告では境域の統治についての考察を深めた。 代表者並びに分担者が執筆する研究成果も複数刊行された。高山と亀長が寄稿する『世界歴史大系イタリア史2』、加藤が編者を務め菊地も寄稿する『フランスの歴史を知るための50章』、小澤と大貫が寄稿する『ドイツ文化事典』は、従来国民国家形成の観点から叙述されてきた各地域の歴史を、他地域の比較と文化接触から論じた。他方で高山(他1名との共著)『衝突と共存の地中海世界』、阿部が寄稿する『地中海世界の中世史』、草生が寄稿する『地中海圏都市の活力と変貌』、阿部・小澤・加藤・大貫・藤崎が参加する『論点・西洋史学』は、国民国家の枠組みではなく、本科研の中心課題である「境域」という観点から、中世世界の形成と展開を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルスの感染拡大のため、当初の計画に従って対面の会議などを開催することは困難であったが、研究代表者並びに研究分担者は、研究計画に従ってそれぞれの調査を進め、オンラインを通じた研究会並びに共同研究の成果を刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度と同じく、個人研究、サブグループ研究、全体研究をすすめる。個人研究においては、各自が担当するテーマに関わる研究文献と資料の収集ならびにデータの整理につとめる。また、その調査成果が十分なものとなった場合、国内外の報告、もしくは、学術論文・書籍の公刊につとめる。サブグループ研究においては、各サブグループの統括者の指示のもとに、研究の進捗状況の相互把握・情報交換のために、研究報告と討論をおこなう。全体研究では、研究代表者の統括のもと、半年に一度メンバー全員が集まり、サブグループ単位の報告を行う。
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