研究課題/領域番号 |
19H01328
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高山 博 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (90226936)
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研究分担者 |
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 教授 (00431883)
草生 久嗣 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10614472)
大貫 俊夫 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30708095)
亀長 洋子 学習院大学, 文学部, 教授 (40317657)
藤崎 衛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50503869)
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 教授 (60635788)
菊地 重仁 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80712562)
小澤 実 立教大学, 文学部, 教授 (90467259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統治 / 境域 / ガバナンス / 中世 / ヨーロッパ |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き本年度も、コロナウイルス感染拡大のため対面の会議などを開催することは困難であったが、研究代表者並びに研究分担者は、研究計画に従ってそれぞれの調査を進めた。加えて、オンラインを通じた研究会並びに共同研究の成果を刊行した。 代表者並びに分担者が執筆する研究成果は数多く刊行された。代表者の高山博は監訳者として、分担者の藤崎衛は共訳者として、D・アブラフィア(著)『地中海と人間―原始・古代から現代まで』を刊行し、海域という観点を通じて国家や統治のあり方を再考すべき視点が共有された。分担者の加藤玄は『ジャンヌ・ダルクと百年戦争』でジャンヌダルクを通じて中世後期フランスの統治システムを、菊地はHerrschaft, Delegation …で、初期中世のフランク王国統治における中央と地方との関係を特徴づけた。 特記すべきは、研究計画の中間報告である高山博・亀長洋子編『中世ヨーロッパの政治的結合体』を刊行したことである。本論集は、統治システムという観点から、中世ヨーロッパを「北欧・イングランド世界の政治的結合体」「大陸ヨーロッパ世界の政治的結合体」「教会世界の政治的結合体」「南ヨーロッパ世界の政治的結合体」「ビザンツ世界の政治的結合体」という五つのパートに分け、各地域の特徴を比較することで、中世ヨーロッパの統治システム全体を明らかにする成果である。研究代表者による総論、分担者によるパートごとの総括5本、そして研究協力者も含めた個別論文22本から構成されている。その際、①現在の大国にフォーカスする従来の研究では等閑視されがちであった北欧、東欧、南欧、アルメニア、黒海のような辺境への注目、②教皇庁や修道会のように国境や言語圏を越えた広域ネットワークへの着目、③統治するものと統治されるものの相互作用から生成する独特の政治文化の抽出といった本科研の目的に沿った成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中間報告として、研究代表者による総論、分担者によるパートごとの総括5本、そして研究協力者も含めた個別論文22本からなる高山博・亀長洋子編『中世ヨーロッパの政治的結合体:統治の諸相と比較』(東京大学出版会2022年)全648頁を刊行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度と同じく、個人研究、サブグループ研究、全体研究を進める。個人研究においては、自身が担当するテーマに関わる研究文献と資料の収集ならびにデータ整理に努め、国内研究施設やウェブ上で入手しえない史資料に関しては欧米などの研究機関・図書館・文書館で収集する。また、国内外の学会で報告、もしくは学術論文の公刊に努める。サブグループ研究においては、各サブグループの統括者の指示のもとに、研究報告と討論を行う。全体研究では、研究代表者の統括のもと、メンバー全員が集まり、サブグループ単位の報告をおこなう。
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