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2023 年度 実績報告書

モチェとシカンを繋ぐ鍵ーワカ・ファチョ遺跡の発掘:複合的社会の再建プロセスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01335
研究機関山形大学

研究代表者

松本 剛  山形大学, 人文社会科学部, 教授 (80788141)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード複合社会 / シカン遺跡 / ワカ・ファチョ / シカン/ランバイェケ / モチェ / ワリ / ミドルホライズン
研究実績の概要

本研究と並行して行われた別のプロジェクトにおいて実施したシカン遺跡の三次元モデリングの結果にもとづいて、ポマ森林歴史保護区内にて踏査を実施したところ、アルガロボの密林の下で広範囲にわたって埋もれていた、都市ともいえる建築構造が明らかになった。シカン遺跡はこれまで、レチェ川北岸の祭祀ピラミッド群(“バタングランデグループ”)での調査の結果にもとづいて「祭祀センター」であったと特徴づけられてきたが、さらにその北方に15平方キロ以上にわたって、巨大なマウンド群とそれらの間を埋める農地のような空間が広がっていることが明らかになった。農地と思われる空間は、畔のような低い盛り上がり(5-15cm)によって細胞上に区画されていることがわかった。二重の畦は水路である可能性が示唆される。続いて行った試掘において年代を示す遺物を見つけることはできなかったが、農地であったことを検証するための土壌サンプルや利用された年代を明らかにするための炭化物サンプルなどが採取された。
これと並行して、前年度の調査においてその正確な位置が明らかになったワカ・ファチョでの発掘を実施した。ワカ・ファチョは、上述した巨大マウンドのひとつであるファチョ=マヤンガ複合の一部である。楕円形のマウンドであるワカ・ファチョは盗掘による被害が著しい(おもにその頂上部と南側基部)が、その被害を免れた南西斜面に発掘区1を、北東斜面に発掘区2を設置した。発掘区1では予想を上回り、形成期からチムー期に至るきわめて長い居住痕跡が明らかになった。また、形成期の建築は儀礼的に埋葬されたこともわかった。発掘区2ではモチェ後期からシカン期にかけての居住痕跡が確認されただけでなく、かつてモチェとワリの折衷様式である壁画が見つかった建物の詳細が明らかになった。ミドルホライズンにおけるモチェからシカンへの移行期の詳細を明らかにする手がかりが得られた。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] The Lambayeque political system viewed from the LiDAR map of Sican Archaeological Complex2024

    • 著者名/発表者名
      Go Matsumoto, Gabriela De Los Rios
    • 学会等名
      The 89th Annual Meeting of the Society for American Archaeology
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] アンデスにおける都市景観の創成メカニズム:シカン遺跡におけるLiDARおよび発掘調査から2024

    • 著者名/発表者名
      松本剛, 山本睦, 大谷博則, Gabriela de Los Rios, Gabriel Villegas, Gustavo Zumaran
    • 学会等名
      出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 第10回全体会議
    • 招待講演
  • [学会発表] The political system of Lambayeque society as viewed from the spatial configuration of Sican Archaeological Complex2023

    • 著者名/発表者名
      Go Matsumoto
    • 学会等名
      The Creation of Royalty in “Out of Eurasia”civilizations: Exploring the Mechanism of the Emergence of Transcendent Power
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 日本のアンデス調査研究65年の歩み2024

    • 著者名/発表者名
      関雄二ほか
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      在ペルー日本大使館

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公開日: 2024-12-25  

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