• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

狩猟技術の発達とホモ・サピエンスの人口増加の相関に関する考古・人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01346
研究機関東北大学

研究代表者

佐野 勝宏  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (60587781)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードホモ・サピエンス / 人口増加 / 狩猟 / 投射技術
研究実績の概要

本研究は、旧人は絶滅したのに対し、新人ホモ・サピエンスだけが人口増を果たした要因が、投槍器や弓矢を使った新しい投射技術の開発による効率的な食料獲得の実現にあったと仮定し、この仮説を狩猟用石器の実験考古学的分析、対象獣の動物考古学分析、遺跡年代値の解析により、複合的に検証することを目的とする。
本年度は、COVID-19により、当初予定していたイタリアにおける初期ホモ・サピエンス遺跡とネアンデルタール人遺跡の資料調査を遂行することができなかった。そこで、既に入手した遺跡出土資料のデータ整理と解析、実験試料のデータ整理と解析を進めた。特に、イタリアの後期旧石器時代最初のホモ・サピエンス文化であるウルッツィアン(4万5000~4万2000年前)の遺跡を対象に、デジタルマイクロスコープで得られた衝撃痕跡を解析し、実験試料と比較分析した。また、シエナ大学の動物考古学を専門とする研究者と連携し、初期ホモ・サピエンスやネアンデルタール人遺跡から出土した動物化石の分析を進めた。
上記の分析により、今後実行予定である他のホモ・サピエンス遺跡出土資料やネアンデルタール人遺跡出土資料と比較検討するための基礎データを構築することができた。また、初期ホモ・サピエンスやネアンデルタール人遺跡から出土した動物化石の分析により、ネアンデルタール段階とホモ・サピエンス段階の対象獣の違いについて検討するための基礎データを構築することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19により、当初予定していたイタリアでの資料調査はできなかったが、その分既に入手済みのデータの整理と解析を進めることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、ウルッツィアン以降のホモ・サピエンス遺跡とネアンデルタール人の遺跡から出土した石器の分析を進める。これにより、両者の狩猟方法の違いについて調査研究する。また、出土動物相の分析も進め、両者の対象獣の違いについて調査する。最終的には、それらの結果を総合的に考察し、ホモ・サピエンスの人口増加の背景に、狩猟技術の革新があった可能性について検証する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] シエナ大学/ボローニャ大学/エレットゥラ・シンクロトロン研究所(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      シエナ大学/ボローニャ大学/エレットゥラ・シンクロトロン研究所
  • [雑誌論文] Reply to Barkai: Implications of the Konso bone handaxe2020

    • 著者名/発表者名
      Suwa Gen、Asfaw Berhane、Sano Katsuhiro、Beyene Yonas
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 117 ページ: 30894~30895

    • DOI

      10.1073/pnas.2018084117

    • 国際共著
  • [雑誌論文] A 1.4-million-year-old bone handaxe from Konso, Ethiopia, shows advanced tool technology in the early Acheulean2020

    • 著者名/発表者名
      Sano Katsuhiro、Beyene Yonas、Katoh Shigehiro、Koyabu Daisuke、Endo Hideki、Sasaki Tomohiko、Asfaw Berhane、Suwa Gen
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 117 ページ: 18393~18400

    • DOI

      10.1073/pnas.2006370117

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Insight into competitive advantage of modern humans over Neanderthals2020

    • 著者名/発表者名
      Sano Katsuhiro
    • 雑誌名

      Elettra Highlights 2019-2020

      巻: 2019-2020 ページ: 50-51

  • [学会発表] 気候変動と人類史2021

    • 著者名/発表者名
      佐野勝宏
    • 学会等名
      第10回 学術交流連携講演会 人の営みと自然気候変動と人類史
    • 招待講演
  • [学会発表] 道具に見る階層構造の発達と言語2020

    • 著者名/発表者名
      佐野勝宏
    • 学会等名
      第2回 共創言語セミナー
    • 招待講演
  • [図書] 石器痕跡研究の理論と実践2020

    • 著者名/発表者名
      御堂島 正・佐野勝宏・他8名
    • 総ページ数
      282
    • 出版者
      同成社
    • ISBN
      9784886218506
  • [図書] 季刊考古学・別冊32 上黒岩岩陰と縄文草創期2020

    • 著者名/発表者名
      春成秀爾・佐野勝宏・他34名
    • 総ページ数
      146
    • 出版者
      雄山閣
    • ISBN
      9784639027126

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi