本研究成果により、4万5000-4万年前にヨーロッパにやってきたホモ・サピエンスが、投槍器か弓を使って狩猟をしていたことが明らかになった。これにより、ヨーロッパにおける投射具利用の起源は、これまで考えられていたよりも約2万年遡ることになる。4万5000-4万年前は、ヨーロッパでネアンデルタール人とホモ・サピエンスが共存していた頃で、ネアンデルタール人が4万年前に絶滅したのに対し、ホモ・サピエンスが人口を増やしていく要因がわかっていなかった。投槍器や弓を使った狩猟は、生存競争において有利であることがわかっており、今回の発見は、この謎を解明する手がかりとして期待される。
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