• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

古代メキシコの都市形成史:世界の知的体系化と物質化

研究課題

研究課題/領域番号 19H01347
研究機関京都外国語大学

研究代表者

嘉幡 茂  京都外国語大学, 京都外国語大学ラテンアメリカ研究センター, 客員研究員 (60585066)

研究分担者 南 博史  京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (00124321)
市川 彰  名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (90721564)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードトラランカレカ / テオティワカン / 世界観 / 古代都市 / ピラミッド / 物質化 / 神々
研究実績の概要

本研究の目的は、メキシコ中央高原において何故人々はある特定地域に集中し、都市化が達成されたのかを解明することにある。当該地域では、後2・3世紀頃にテオティワカンで急速に都市化(後100年頃から)が進み、初期国家(後200年頃)が形成されたと考えられている。しかし、先行社会からの文化継承を重視せず、自生的に発展したとの観点から議論が行われている。ここに課題があると判断し、研究代表者は研究に取り組んできた。結果、この社会変動の以前と以降において、無視できない物質文化の類似性を発見した。つまり、都市化の動きは既に始まっており、先行社会の文化や技術そして知識を土台として成立したと言える。
令和4年度は、都市化の原動力の基礎になったものがピラミッド、そして洞窟の建造であるとの仮説を検証してきた。時代の流れと共に、ピラミッドは自然地形を利用したものから、人工的に建造されており、メキシコ中央高原では、古典期(後200~600年)には完全に人工建造物として建造される。これは、社会の成熟のみによって達成されたのではなく、人々が生活拠点の中心部にピラミッドそして洞窟を建造することで、より積極的に神々の世界に介入する必要性があったのではないかと問題を設定した。
その必要性は、恐らく後70年頃に起こったポポカテペトル火山の大噴火にあると考えられる。噴火を神々の怒りと捉える古代人は、自然景観を加工したピラミッドでの消極的介入から、人工的に建造したピラミッドし人々の願望(自然災害の鎮火への希求)を積極に伝える方法に移行した。しかし、これは単に方法の変化の次元に留まらない。明確な権力集団の台頭とも関連する。神々との仲介者の登場は、神々への依存度を減少させると共に、権力集団が新たな信仰の対象となったと思われる。都市化の原動力に関して、現在までに提示されなかった仮説を提供できたことが成果と言える。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] メキシコ国立自治大学(メキシコ)

    • 国名
      メキシコ
    • 外国機関名
      メキシコ国立自治大学
  • [国際共同研究] テュレーン大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      テュレーン大学
  • [雑誌論文] The Formative Heritage in Central Mexico: Proyecto Arqueologico Tlalancaleca, Puebla2023

    • 著者名/発表者名
      Kabata, Shigeru, Tatsuya Murakami, and Julieta M. Lopez Juarez
    • 雑誌名

      Japanese Contributions to the Studies of Mesoamerican Civilizations

      巻: 1 ページ: 119-130

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「病」から誕生したアステカの太陽神:陰と陽を併せ持つ天使たち2022

    • 著者名/発表者名
      嘉幡茂
    • 雑誌名

      京都外国語大学ラテンアメリカ研究所「紀要」

      巻: 22 ページ: 1-21

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Herencia del Formativo al Clasico en el Altiplano Central de Mexico: Proyecto Arqueologico Tlalancaleca, Puebla2022

    • 著者名/発表者名
      Kabata, Shigeru, Tatsuya Murakami, y Julieta M. Lopez Juarez
    • 雑誌名

      Mesoamerica: el estudio de sus procesos de transformacion social desde una perspectiva de larga duracion

      巻: 1 ページ: 71-88

    • 査読あり
  • [学会発表] 今に生き続けるアステカの古代遺産:硬貨に現れるその二面性2023

    • 著者名/発表者名
      嘉幡茂
    • 学会等名
      京都外国語大学・学園創立75周年記念特別展関連企画・記念シンポジウム「古代とは何か~世界の古代文明からひもとく~」
    • 招待講演
  • [学会発表] 水利システムを包蔵する古代メキシコのピラミッド:世界観を成立させた装置の開発と社会統合2023

    • 著者名/発表者名
      嘉幡茂、フリエタ=ロペス、ホルヘ=トレド
    • 学会等名
      「出ユーラシアの統合的人類史学-文明創出メカニズムの解明-」第8回全体会議(オンライン・ポスター発表)
  • [学会発表] アステカの太陽神はイケてない?:「病」は天使の証2022

    • 著者名/発表者名
      嘉幡茂
    • 学会等名
      京都外国語大学ラテンアメリカ研究所講演会(オンライン発表)
    • 招待講演
  • [学会発表] プロパガンダとして誕生したアステカ神話:太陽を「私物化」したテノチカ人の野望2022

    • 著者名/発表者名
      嘉幡茂
    • 学会等名
      京都外国語大学ラテンアメリカ研究所講演会(オンライン発表)

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi