研究成果の概要 |
礼文島出土のオホーツク文化後期人骨(NAT002)のゲノムデータは、この個体が縄文系統、カムチャツカ系統、アムール系統の混血個体であることを示唆した。アムール系統の北日本への移住は約1,600年前であることが示唆され、これは北海道でのオホーツク文化成立に関する考古学的証拠と一致する。また、カムチャツカ系統は約2,000年前に北日本へ移住したことが示唆された。さらに、オホーツク文化初期人骨(NAT004)のゲノムは縄文系統とカムチャツカ系統の混血個体として説明可能であった。この発見は、NAT002ゲノムによって示唆された縄文系とカムチャツカ系との混血集団の存在を示す直接的な証拠となりうる。
|