研究課題/領域番号 |
19H01361
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
渡辺 千香子 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (40290233)
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研究分担者 |
小口 千明 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20312803)
辻 彰洋 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (40356267)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283)
岡田 保良 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 研究員 (90115808)
安間 了 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70311595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 粘土板分析 / メソポタミア / 堆積物分析 / 微化石 / 非破壊分析 |
研究成果の概要 |
本研究は古代メソポタミアの粘土板胎土の分析を行ない、出土地や製作プロセスに関するデータの取得を目的とした。粘土板の製作過程については未解明のことが多く、胎土の化学的・生物的特徴を運河の堆積物と比較することで、産地同定の手がかりとなる特性を解明しようとした。携帯型蛍光X線分析装置(pXRF)を使い非破壊で行った粘土板の化学組成分析では、表面状態や空隙率・含水率の影響を受けるデータの精度を改めて検証する必要性が次の課題として認識された。メソポタミア南部の遺跡ギルスから採取した運河堆積物の生物分析では、主に珪藻と海綿が発見され、珪藻は淡水性であることがわかったが、海綿については継続して照合中である。
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自由記述の分野 |
アッシリア学・美術史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナのパンデミックによる様々な困難と制約の中、これまでに築き上げたイギリス・オーストリア・イラクの研究者たちとの信頼関係に基づく国際共同研究の枠組みで、本研究が粘土板や運河堆積物の学際的研究を継続したことに大きな意義がある。研究のプロセスそのものを国際的に進めたほか、オンラインならびに対面による研究会と国際ワークショップの開催を通じて、国際的な学術交流に貢献した。本研究を通して明らかにした粘土板分析の可能性と精度についての新たな課題は、今後同じような研究を行う際の指標となることが期待され、大きな学術的意義を有する。
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