研究課題/領域番号 |
19H01364
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
末森 薫 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 助教 (90572511)
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研究分担者 |
日高 真吾 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (40270772)
園田 直子 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (50236155)
安室 喜弘 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50335478)
八木 春生 筑波大学, 芸術系, 教授 (90261792)
正垣 雅子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90749441)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 敦煌莫高窟 / 千仏壁画 / 分光画像 / 燃焼光 / 蝋燭 |
研究実績の概要 |
2020年度は、前年度に制作した色彩を再現した千仏壁画を対象として、ハイパースペクトルカメラを用いて各ピクセルにスペクトル情報を有する分光画像を取得した。また、太陽光、LED、蝋燭などの光源の分光スペクトルを取得し、その分光特性を比較した。そして、分光画像を扱うソフトウェアに任意の光源スペクトルを適応し、輝度を変換するプログラム(選択式輝度変換プログラム)を実装した。 各種光源下における千仏再現壁画の見え方について検証を進めた結果、蝋燭のスペクトルを適応した画像は、太陽光やLEDのスペクトルを適応した画像に比べ、仏の肉身などが黄味を呈することが明らかとなり、当時の絵師たちが色と光の関係性を理解した上で絵の制作を進めていたことが理解された。 なお、2020年度の研究は、新型コロナ感染症の拡大の影響により現地調査が実施できなかったため、2年間の繰り越しをおこなった。しかし、研究終了時までに現地調査をおこなうことができず、一部実施内容を振りかえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の拡大の影響により、中国における現地調査を実施することができず、2年間の繰り越しをおこなった。しかし、研究終了時までに新型コロナ感染症による影響は解消されなかったため現地調査をおこなうことができず、洞窟における三次元情報の取得など一部実現しなかった研究内容がある。そのため、分光画像を用いた応用研究を進めるなど、一部内容を変更して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の研究課題では、再現模写を対象にした分光画像と光源の分光データを用いて、見え方の検証をおこなった。しかし、薄暗い空間における色順応など、人間の視覚的特徴については十分に検証できていない。2021年度の課題では、その点に着目して検証を進める。
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