全球客観解析データを入力とした動的降水アイソスケイプモデルを開発するとともに、これと統合可能な各種同位体モデルを構築した。さらに、流域蒸発散、融雪出水、湖沼水収支、及び温泉に関する成分分離への応用を行った。その結果、蒸散/蒸発散比を正確に推定するためには選択効果の適切な考慮が必要であること、融雪出水モデルの高度化と正確な融雪成分推定を行う上で河川水の同位体情報が有効であること、涵養水同位体比の時空間的不均質性が適切に考慮できれば湖沼の蒸発/流入比を高精度に推定可能であること、ならびに天水アイソスケイプモデルと地水曲線の使用により地圏水成分の混合割合が正確に評価できることなどが明らかとなった。
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