研究課題/領域番号 |
19H01389
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白川 千尋 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60319994)
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研究分担者 |
飯田 淳子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00368739)
川田 牧人 成城大学, 文芸学部, 教授 (30260110)
津村 文彦 名城大学, 外国語学部, 教授 (40363882)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 呪術 / 効果 / 東南アジア / オセアニア / 文化人類学 |
研究実績の概要 |
本研究の1年目にあたる今年度(2019年度)は、本研究に関係する海外の最新の研究動向の把握と、本研究の各メンバーがこれまでに取り組んできた民族誌的・理論的研究の中間的成果の公開などを目的として、メンバー全員がポーランド・ポズナン市で開催された国際人類学民族学連合(IUAES)の研究大会に参加し、研究発表を行った。これらの発表は、分担者の津村と代表者の白川が海外の研究者とともに組織したパネル(Portraits of Magical Practitioners)のなかで行われたものであり、いずれも呪術の直接の担い手である呪術師・呪者を対象とし、その呪術や呪力の効果について感覚的経験や身体的実践などとの関係から検討を加えたものである。 以上の国際学会での発表に加えて、今年度はメンバー全員が文献やインターネットなどを通じて情報収集を行うことで、本研究に関係する民族誌的・理論的知見の深化に努めた。加えて、分担者の飯田は研究対象地のタイ北部において、呪術的治療の受容と生物医学および仏教との関係に関する調査(参与観察とインタビュー)を実施し、民族誌的情報の収集と次年度(2020年度)以降の調査方針の確認を行った。なお、分担者の津村も年度末にタイ東北部において調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により中止を余儀なくされた。こうした状況は次年度にはメンバー全員が各自の研究対象地において直面し得るものであり、今後の調査の実施については各研究対象地および日本の状況を総合的に踏まえて判断する。また、調査ができない場合の代替策についてもメンバーそれぞれが十分に検討し、メンバー間での情報共有に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により研究対象地で調査が実施できなくなる事態も生じたが、その一例を除けばおおむね当初計画通りに活動を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の当初計画では、メンバー全員が研究期間を通じて各自の研究対象地において調査を実施することになっている。しかし、それら一連の調査は、新型コロナウイルス感染症の流行状況によっては実施が困難になることも予想される。したがって、その場合は、メンバーがこれまでに収集した民族誌的情報や文献・インターネットなどを通じて得た情報の分析作業に比重を移すなどして対応を図る。 各メンバーが得た民族誌的情報やその分析によって得た知見は、メンバーの所属機関などで開催する研究会の研究発表で取り上げ、ほかのメンバーと共有するとともに比較検討の対象とする。また、本研究の2年度目にあたる2020年度以降は、研究成果の公開にもより一層積極的に取り組んでゆく。まず2020年度は、これまでの民族誌的情報の分析結果などをまとめた論文集(メンバー全員の論文を所収)を刊行する予定である。
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