• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

持続可能な社会実現への挑戦:アラスカにおける金鉱開発と生存漁労の共生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01392
研究機関九州大学

研究代表者

生田 博子  九州大学, 留学生センター, 准教授 (90783829)

研究分担者 久保田 亮  大分大学, 経済学部, 准教授 (80466515)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード持続可能な社会 / 資源開発 / 北極圏 / 生存漁労 / 先住民族
研究実績の概要

本年度は、プロジェクトチームメンバーによる共同研究会の実施、本研究課題に関連する民族誌的資料を所蔵する研究教育機関での資料収集、人類学研究ないし極北地域研究に従事する研究者との意見交換を中心とした研究活動を中心としつつ、研究成果の公表および公表のための準備を行った。
生田と久保田は、アラスカ州南西部における生業活動、野生動物管理、金鉱開発に関するこれまでの研究動向を詳細に整理し、学術論文にまとめる準備を共同で実施した。この作業を通して、アラスカ先住民の伝統的生業たる漁労活動が、政治経済文化的に極めて重要な資源であることを確認できることを指摘した。また久保田は、一般市民を対象とした公開講座において、環境保護/資源開発と地域住民の関係性を理解する視座を紹介することで、本研究課題の成果の一端を社会還元した。
国外での現地調査については、世界規模の新型コロナウイルス感染拡大による影響もあり、2021年度の実施は断念せざるを得なかった。2022年、生田はアラスカ大学を訪問し、研究者と意見交換をした。また、生田と久保田は、シェルダンジャクソン博物館、トンガス博物館などを訪問し、先住民と生業資源との歴史的関係性を理解するための民族誌的資料を閲覧した。さらに、ハーバード大学、ダートマス大学、国立アメリカ・インディアン博物館、スミソニアン博物館などのアメリカ東海岸の研究教育機関を訪問し、アラスカ先住民の伝統物質文化に関する情報収集を共同で行った。北極圏に生きる人々に関する近年の人類学的研究を牽引してきた研究者との意見交換を行うことで、本研究課題のさらなる質的向上を図った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

引き続き新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外の研究活動が大幅に制限された状況にある。特に、現地の研究協力者との意見交換より、医療体制が万全でないアラスカ州辺境地域では、安全に研究活動を遂行することができる状況には未だなく、当該地域での研究活動は延期せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

これまで収集した各種資料の整理・分析を継続的に実施しつつ、新型コロナウイルス感染拡大により延期せざるを得なかった国外での研究活動、そして研究成果の出版を同時並行的に進めていく必要がある。プロジェクトチームメンバー内の意見共有、国内外研究者や現地協力者との情報共有をより密に行い、安全かつ効率的に研究活動を遂行する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] Smithsonian Institution/Alaska Department of Fish and Game/University of Alaska Fairbanks(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Smithsonian Institution/Alaska Department of Fish and Game/University of Alaska Fairbanks
  • [雑誌論文] Political Strategies for the Historical Victory in Aboriginal Subsistence Whaling in the Alaskan Arctic: The International Whaling Commission Meeting in Brazil, 20182021

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Ikuta
    • 雑誌名

      World Whaling: Historical and Contemporary Studies. Senri Ethnological Studies

      巻: 104 ページ: 209-223

    • 査読あり
  • [学会発表] 南西アラスカにおける生存狩猟と北米最大の金鉱開発2021

    • 著者名/発表者名
      生田博子
    • 学会等名
      北米アラスカ・北西海岸地域研究から見た 環北太平洋沿岸諸先住民族文化の比較研究の展望
    • 国際学会
  • [図書] 在来知と社会的レジリエンス: サステナビリティに活かす温故知新 (SDGs時代のESDと社会的レジリエンス研究叢書 3)2021

    • 著者名/発表者名
      古川柳蔵、生田博子編著
    • 総ページ数
      151
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      4811906047
  • [図書] 世界で学ぶ、働くことは生きること2021

    • 著者名/発表者名
      生田博子編著
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      書肆侃侃房
    • ISBN
      4863854501

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi