研究課題/領域番号 |
19H01406
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
李 英美 明治大学, 商学部, 専任教授 (00449109)
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研究分担者 |
山下 達也 明治大学, 文学部, 専任准教授 (00581208)
三田 剛史 明治大学, 商学部, 専任准教授 (00624107)
村上 一博 明治大学, 法学部, 専任教授 (10212250)
土屋 光芳 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (20197726)
高田 幸男 明治大学, 文学部, 専任教授 (90257121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 東アジアの近代法学ネットワーク / 東アジアの日本留学 / 韓国調査 / アジアにおける校友ネットワーク / 朝鮮総督府 / 中国の留学教育 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の拡大で計画の大幅な変更を迫られ、前年度実施できた韓国調査の成果を整理するとともに、研究交流の促進のため、大学史資料センターwebサイトの「白雲なびく~遥かなる明大山脈~」に、この間の明治大学とアジアとの校友ネットワークに関する成果を順次公開した。また、本研究プロジェクトがアジア人留学生研究会として所属している明治大学大学史資料センターの紀要に発表することを決め、同資料センター長であり、本研究プロジェクトの研究分担者である村上一博による、「刊行にあたって」をとおして、その趣旨説明を行った。 それから、本来は毎月行われる予定であった本プロジェクトの研究会は突然のコロナ禍の対応に追われて、初のオンライン授業の準備などに多くの時間が払われていたため、対面の研究会ができなかったのは言うまでもなく、オンライン上の研究会も毎月は開催できず、隔月のペースで行われた。 また、『朝鮮総督府官報』、『中国近代教育文献叢刊・留学教育卷』などの大型資料を購入し、研究分析にとりかかった。 さらに、中国において期間限定で無料公開された戦前期新聞雑誌データベースを利用して日本留学生関係記事を検索するなど、オンラインでできる範囲で史料収集を進めた。 戦前明治大学出身の韓国・朝鮮人留学生のデーターベース化をめざし、人物事典を中心に該当者の探しや入力作業を現在の韓国人留学生にアルバイトとして入力作業を行うようにした(『親日人名辞典』韓国民族問題研究所、2009年。全3巻)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の拡大により、研究計画に大幅な変更を迫られた。特に上半期は大学全体がコロナ禍への対応に追われ、またその後も政府の移動制限、および大学の出張制限により、国内(九州など)・国外(台湾・中国・韓国)における史料収集・インタビューの実施を延期せざるを得なくなった。 大学への入構制限のため、留学生のデータベース入力作業も中断せざるを得なくなった。そうした中で韓国人留学生データーベース入力作業の場合は、所属機関である明治大学研究知財事務室の承諾を得て、作業中の学生が資料を自宅に持ち帰り、自宅で行っても良いようになった。作業の進み具合は大学で行った時と比べ、あまり変わりがなかった。今後も、オンラインでの経験を活かせたら良いと思っている。 年度下半期にはオンラインでできる範囲の研究活動を展開したが、インタビューに関しては、インタビュイーが高齢者のためオンラインによるインタビューを実施できなかった。 本プロジェクトの研究者は明治大学の駿河台校舎と和泉校舎の二つのキャンパスにまたがっているため、研究者の利便性を向上させ、研究推進能力をアップさせようとして、駿河台校舎に共同研究室を設けることにした。そのために、大学による共同研究室の募集に応募したが、落ちてしまった。コロナ禍のため、共同研究室の必要性は強く感じなかったが、コロナ禍終了後の研究期間を視野に入れての応募であった。 それから、本研究プロジェクトでの中間研究成果や研究経過の中で得た明治大学の歴史的事実および知識について、総合科目を設けて4つの全キャンパスで全学部全学年を対とした研究分担者によるオムニバス授業を行っていた。このように本研究プロジェクトにおいても、2020年度はコロナ禍が始まった年であることから、研究推進上に大きな影響を及ぼしていた。
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今後の研究の推進方策 |
当面、史料の収集・整理・分析をできる範囲でおこなうこととし、オンラインで関連史料を収集し、2019年度に韓国で実施したインタビューの記録を整理するなど、これまでの成果をまとめて、情報発信に力を入れることにした。それらと同時に、隔月の研究会をオンラインの形で引き続き開催し、各研究分担者の研究状況の確認や資料の紹介、日本国内の留学生研究関連研究会の紹介やオンラインシンポジウム開催情報、他大学の研究者および韓国・台湾・中国の研究者との間の交流などについて話し合っていた。 また、4キャンパスの全学部・全学年を対象とした本プロジェクト関連の総合科目「明治大学の歴史」のオムニバス講義も引き続き行っていた。 本プロジェクトの研究者が明治大学の駿河台校舎と和泉校舎という二つのキャンパスにまたがっていることから、研究者の利便性を向上させ、研究推進能力をアップさせようとして、駿河台校舎に共同研究室を設けることにした。そのため、大学による共同研究室の募集に応募したが、前年度に続いて2021年度も落ちてしまった。 コロナ禍が2年目に入り、オンライン授業の対応も少し慣れてきたこともあり、この間も研究分担者は、『大学史紀要』(第27号)と大学史資料センターウェブサイトの「白雲なびく~遥かなる明大山脈」に、研究の中間成果や研究経過で明らかにされた点についてアップし、公開していた。前者には、村上一博「校歌から見た明治大学の原風景―児玉花外の時魂にも触れて」、同「明治法律学校における杉村虎一の訴訟法講義」。後者は、村上一博が4点、高田幸男が1点、土屋光芳が1点、山下達也が1点をアップした。具体的な文章の内容は明治大学大学史資料センターのホームページで確認可能である。そして、データーベースの入力作業も、引き続きアルバイトの留学生によって自宅で行われていた。
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