研究課題/領域番号 |
19H01432
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
二宮 周平 立命館大学, 法学部, 教授 (40131726)
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研究分担者 |
立石 直子 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (00369612)
嘉本 伊都子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (50340443)
松村 歌子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (60434875)
高田 恭子 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (70569722)
梅澤 彩 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (90454347)
松久 和彦 近畿大学, 法学部, 教授 (90550426)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 面会交流 / 面会交流支援 / 面会交流支援団体 / 子どもの手続代理人 / 子どもへの情報提供 |
研究実績の概要 |
2020年同様、面会交流支援に関する共同研究をハイブリッドで行った。①第5回面会交流支援団体フォーラムでは、子どもの権利条約総合研究所代表による基調講演「子どもの権利条約を学びなおす」と、「面会交流支援団体認証制度とその基準のあり方」について、支援団体の支援者との意見交換を行った。②第7回面会交流支援研究会「面会交流支援におけるADRの必要性と将来」、③第8回面会交流支援研究会「面会交流支援に生かす家族療法の基本」「面会交流支援が難しいケースにおける事前面談」において、それぞれADRと交渉論の専門家、臨床心理士で家族療法の専門家を招いて研究会を開催し、面会交流支援に関わる専門知識を学び、支援に活かし、支援の質向上を図る課題を明らかにすることができた。 2020年に方向性を定めた面会交流支援団体の認証制度に関して、認証の基準とガイドラインを作成した。④公開シンポジウムを開催し、全国の面会交流支援団体の支援者、弁護士、研究者等参加の下、作製した認証の基準とガイドラインについて意見交換を行い、大方の理解を得ることができた。これに基づいて、認証制度の具体的内容について検討を開始した。また、法務省によるの面会交流支援団体一覧表と参考指針の作成に協力した。 外部の研究者・実務家を招いて科研の共同研究会を2回開催した。「韓国における子どもへの情報提供、パンフレット「ずっと大好きだよ」作成の経緯と実践」(韓国からオンライン報告)、「3つの大規模法務省委託調査(2021年)の分析」(臨床心理研究者)、「子どもの手続代理人と子の意見表明」(法社会学研究者と弁護士)、「離婚後の親子の交流に関する実態調査、ケース分析の中間報告」(研究分担者)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子の養育保障システムに関して、①面会交流支援の実務者との共同研究をより一層展開することができ、支援団体のネットワーク形成が進んだ。面会交流支援団体の適正を認証する制度の確立に向けて、認証基準及びガイドラインを作成し、支援団体の支援者から理解と支持、非弁行為等の問題点の指摘を受けて、内容の改善を図り、認証制度の仕組みの検討を開始した。外部の研究者・実務者を招いての共同研究会において、②子の意見の反映システムの1つとして子どもの手続代理人制度の実情と課題の整理、③合意解決促進システムの前提となる協議離婚の実情把握をすることができた。 2020年度同様、新型コロナ感染拡大防止のため、国内外の訪問調査を実施できなかったため、ハイブリッドのフォーラム、研究会を中心に一定の成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の科研費の繰越しが認められたこと、海外訪問調査は実施困難であることが予想されることから、科研費を、研究成果の出版及び面会交流支援団体の支援者が面会交流支援の基礎知識、現場で遭遇する問題への対処、組織としてのマネジメントなどを学ぶことのできる教材(配信用の動画や紙媒体資料)作成に用いることとした。そのために研究分担者と外部の研究者を招いての共同研究会を、ハイブリッドの事前登録準公開型で開催し、参加者との意見交換を密にして、研究の深化を図る。教材作成者との打合せ研究会と収録作業を行う。合意解決促進システムの1つである、離婚前後の親への情報提供(親ガイダンス)について、自治体の講座担当者、面会交流支援団体などに参加してもらう研究会を開催し、実情と課題を整理する。
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