研究課題/領域番号 |
19H01437
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
茶園 成樹 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (30217252)
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研究分担者 |
青木 大也 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (80507799)
吉田 悦子 大阪工業大学, 知的財産学部, 准教授 (30599816)
陳 思勤 大阪大学, 知的基盤総合センター, 教授 (60597350)
村上 画里 東京造形大学, 造形学部, 准教授 (70597351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 画像デザイン / 情報デザイン / 知的財産法 / デザイン保護 / 国際的調和 |
研究実績の概要 |
本研究は、日常のあらゆる場面で活用されている電子機器等の画像デザインを題材として、それが、単に物品の外観というだけでなく、様々な情報を提示する方法・システムであることに着目して、情報デザインとしての新しい保護体系を試みるものである。画像デザインはいまだ内実が明らかでない部分も見られるが、様々な情報を提示する方法・システムであることから考えると、意匠法の範疇に無理におさめるのではなく、今後を見据えた広い視野と適切な視座をもって検討する必要がある。とりわけ意匠制度は令和元年改正により大きな変化が見込まれる。そこで本研究では、意匠制度の登録要件、権利範囲、侵害行為を端緒として、創作活動の実態に則した画像デザインの適切な保護について、包括的な検討をすることを学術的な問いとする。 2020年と2021年(繰越年)は、前年度に策定した調査事項を中心に国外調査を行う予定であったが、新型コロナ感染症の影響で行動範囲が制限されたこともあり、オンラインを中心とした研究活動を行った。2022年(事故繰越年)にようやく渡航制限が解除されたので、欧州の研究者との研究会を実施した。具体的には、画像デザインの登録件数が多い欧米をはじめとする諸外国の保護体系や法解釈などの現状を研究の素材として、以下の事項について情報収集を行った。 1)画像デザインに係る情報を提示する方法・システムとして保護すべき本質についての研究、2)画像デザインに係る用途・機能の共通性やその判断方法についての検討、3)侵害判断の場面における権利範囲の明確性を考慮した立法提言、4)画像デザインの著作物性と侵害判断に関する解釈論、5)画像デザインの特許法、意匠法における保護範囲についての解釈論、6)画像デザインの摸倣行為についての研究。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響で、当初予定どおりの海外調査は実施できず、インターネット・オンライン会議を中心とした情報収集をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のため、本来なら初年度の基礎調査をもとに諸外国での調査研究を展開する予定であったが、予定を変更してインターネットやオンラインを活用した情報収集に取り組み、一定の成果を得ることができた。しかしながら、諸外国での調査事項の遂行には、現地でしか得られない知見の収集があるため、情報デザインとしての保護についての現状と課題や新しい保護体系についての共通認識を醸成するために、この分野に精通した研究者や実務家との意見交換を積極的に行う必要がある。そのため欧米、アジア諸国(中国、韓国、ASEAN諸国など)への海外調査については、引き続き継続する形で再検討する。
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