研究課題/領域番号 |
19H01458
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
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研究分担者 |
斎藤 紋子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20512411)
工藤 年博 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30450498)
藏本 龍介 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (60735091)
土佐 弘之 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70180148)
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
根本 敬 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (90228289)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (90372549)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ミャンマー / バングラデシュ / ロヒンギャ / 正義 / 危機 / 難民 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、ミャンマーの北部ラカイン州から約72万人の難民が隣国バングラデシュに流出したロヒンギャ危機について、この危機を解釈する言説に焦点を当て、現地フィールドワークにもとづいて正義の主張が不正義を助長する逆説について考察するものである。それにより、国際社会、政府、ローカルな諸団体の間とその内部で交錯する正義、恐怖、脅威、民族、歴史などに関する言説、また、そうした言説の形成過程や背景を分析する。本事例をもとに、国際刑事司法にかかわる脱領域化しつつある「普遍的な正義」に対して、国民国家が反動的な動きを見せるメカニズムの一端を明らかにすることが目的である。初年度にあたる2019年度はメンバー間で問題関心を共有するべく研究会を実施した。研究代表者によるロヒンギャ危機とミャンマー国内安全保障政策の関連についての報告や、分担者(根本敬)によるロヒンギャの歴史認識の報告を通じて、同問題について複数の事実認識があり、それぞれが構築された言説について確認した。その後、各自が研究テーマを設定するとともに、先行研究の検討と研究計画の作成をおこなった。初年度末にはミャンマー、バングラデシュ、オーストラリアなどでの共同および個別での現地調査、またアジア学会(AAS)での研究報告を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう国際的移動の制限を受けて延期とした。それに伴って一部直接経費を繰越した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の目標であったメンバー間での問題関心の共有は研究打ち合わせによって進んだ。各自のテーマ設定および研究計画についても、同様に本事業の全体の目的に沿ったかたちで多様な視点から各自、作成した。ところが、年度後半に予定していた現地調査が、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期となったため、当初の予定よりもやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスによる国際的な移動の制限がどの程度続くのかが予想できないものの、現地調査が本研究計画の重要な要素となるため、将来的な実施を見越しつつ、各自が日本で入手可能な資料や、ソーシャルメデイア情報の分析、在日ロヒンギャへのインタビューといった代替策の検討を行うことにした。
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