研究課題/領域番号 |
19H01463
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
月村 太郎 同志社大学, 政策学部, 教授 (70163780)
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研究分担者 |
廣瀬 陽子 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (30348841)
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 教授 (50580776)
東野 篤子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
岩坂 将充 北海学園大学, 法学部, 准教授 (80725341)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 東地中海 / 安全保障化 / 記憶 |
研究実績の概要 |
本研究課題全体としては、地域紛争研究会例会(2019年8月)において、各自の研究構想を明らかにし、全体に関するすりあわせを行った。個別の研究活動及び実績について、まず、バルカン地域については、民族形成が遅れて行われたマケドニア人の大民族主義的要素について研究を行った。次に、近年、旧ソ連地域の安全保障状況を考える上で特に重要であるロシアの「ハイブリッド戦争」の地域的安全保障への影響について、ハイブリッド戦争一般やその重要な要素であるサイバー攻撃についての研究を進めた。中東については、レバノンの宗派制度における政治的な争点が宗派間の水平的な関係(エリート間の権力分有)から垂直的な関係(階級間の闘争)へと移行しつつあり、また、それに伴い、宗派を単位とした従来の政治のあり方の見直しが進んでいることについて研究を行った。EU・東地中海関係に関しては、東地中海における外部アクターとしてのEUの役割と東地中海におけるプレゼンスを拡大させつつある中国の立ち位置に着目した分析、EU拡大及び近隣諸国政策の最近の展開に関する考察、の2点に力点をおいて研究を行った、ドイツについては、ドイツ・ポーランド関係に関するドイツ側の記憶、そしてドイツの対外政策に関連した在欧米軍削減問題に関する研究を行った。近東については、トルコの「オスマン帝国の記憶」に基づいた東地中海地域諸国との関係を、キプロス紛争の結果うまれた「北キプロス・トルコ共和国」やキプロス問題に対するトルコの政策の変化、そしてトルコにおけるトルコ民族主義の興隆とそれが現政権に及ぼす影響の増大について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の研究期間を有する本研究課題の初年度は、各自の研究を進める一方で、研究全体に関する打ち合わせを行う計画であった。研究活動はその計画に沿って概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
まず2019年度に引き続き、全体の研究計画の調整を行いつつ、各自の研究を進める。更に、2020年度と2021年度に計画している海外調査について、研究代表者・分担者は可能な限り他のメンバーの調査に同行し、現地研究者などとの意見交換を中心に、各自の研究の相対化を行い、以後の研究の有機的発展につなげる予定である。
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