研究課題
2020年度からの新型コロナ感染症のパンデミックに続き、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻により、東地中海地域の国際安全保障は大きく変化することになった。バルカン地域のうち、ウクライナの隣国モルドヴァでは、領内の沿ドニエストル共和国において、ロシアのPKO部隊や軍が駐留していることにより、独立時の記憶の安全保障化が平時にもまして政治的イシューとなっている。またセルビアではEUとロシアの間で国益の維持を図ってきたヴチッチの対外戦略が曲がり角に来ている。EUやNATOが、ロシアの侵攻により、東地中海地域の国際安全保障への関与を深化させていることについては言うまでもないが、それにより、欧州と中国の関係悪化という影響ももたらされている。ドイツについても、対ロシア政策、更に対外的な軍事的関与について大きな転換点が明らかになっている。他方で、ロシアの観点から見るならば、ウクライナを除く東地中海地域への影響力の減退は顕著であり、対照的に、中国の東地中海地域における存在感が大きくなっている。トルコと中東については、より長い歴史的スパンからの研究がなされた。トルコに関しては、「北キプロス・トルコ共和国」に対する主張において、エルドワン政権がキプロス紛争だけでなく希土戦争に関する記憶も利用していることが明らかになった。中東に関しては、シリア、レバノン、パレスチナ/イスラエルを含む「歴史的シリア」について、2010年代における非国家主体に関する研究が行われた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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World Insight
巻: - ページ: -
イスラーム世界研究
巻: 15 ページ: 205-221
国際法外交雑誌
巻: 120/1-2 ページ: 362-375
日本中東学会年報
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