研究課題/領域番号 |
19H01468
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40324222)
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研究分担者 |
陳 珈惠 京都大学, 経済研究所, 准教授 (20768238)
中村 友哉 明治学院大学, 経済学部, 教授 (70706928)
犬飼 佳吾 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80706945)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バンディット問題 / イノベーション / 知識探索 / 評判形成 / シグナリング / 制度設計 / 単一交差性条件 |
研究実績の概要 |
本研究では、制度的要因が知識探索活動に与える影響について理論および実験の両面から考察を行う。これまでに主に3本の論文を完成させている。 "A War of Attrition with Experimenting Players"では、古典的な消耗戦ゲームの定式化に、学習によりプロジェクトの質が改善する可能性を導入し、均衡での戦略がどのように変化するか分析した。このとき、事前に非効率なプレーヤーには、質の改善という追加的なインセンティブが生じるため、通常の環境とは異なり、より効率的なプレーヤーに対して優位な状況に立つ可能性が生じることを示した。この結果はJournal of Industrial Economicsより公刊されている。 "Reputation Concerns in Risky Experimentation"では、バンディット問題に評判の利益を導入し、知識探索における評判形成のインセンティブの役割をより直接的に検証した。ここで考察するモデルはシグナリングモデルの一種に分類されるが、通常仮定されるsingle-crossing propertyが成り立たないケースが存在する。この論文では、こうした状況での均衡の特徴付けを行い、評判形成のインセンティブが与える影響について理論的な考察を行った。この結果はJournal of the European Economic Associationより公刊されている。 "Signaling under Double-Crossing Preferences"では上記論文の状況をさらに一般化し、double-crossing propertyという新たな条件によって選好が定義されるシグナリング環境での基礎的な分析手法の提供を行った。この結果はEconometricaより公刊されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による制約はあったものの、オンラインでのミーティングなど代替的な手段を用いることでいくつかの研究成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
海外出張が可能となってきたので、共著者との対面での打ち合わせを行い研究をさらに進展させたい。
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