| 研究課題/領域番号 |
19H01472
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| 研究機関 | 福井県立大学 |
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研究代表者 |
廣瀬 弘毅 福井県立大学, 経済学部, 教授 (20286157)
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| 研究分担者 |
小峯 敦 龍谷大学, 経済学部, 教授 (00262387)
吉野 裕介 関西大学, 経済学部, 准教授 (00611302)
木村 泰知 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50400073)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 副学長 (80292077)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 新自由主義 / サッチャー / ハイエク / テキストマイニング / 政策思想 |
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| 研究実績の概要 |
我々の研究は，最終的に「新自由主義の政策への具体的な浸透」について解明すること，その解明にテキストマイニングという新たな手法を持ち込むこと，そのツールの改善を図ることにある。
前者の新自由主義の考え方の根幹を深く追求することについては，従来通りの文献研究などの方法が使えることもあり，2020年度中も各自で研究が進んだ。ハイエクの思想やそれと対立する経済学への功利主義の持ち込みについての検討であり，いくつかの論文等の成果になった。また，イギリスの政治家個人にスポットを当てて，新自由主義が浸透する時期の政策転換について分析をするなど，研究は進んだ。2つめ以降の目的については，合同で集まって，いわばブレーンストーミングのような形式で論点を整理するという方法を当初計画していた。しかし，新型コロナ感染症拡大の状況により，この点は変更せざるを得ず，遠隔システムの弾力的運用で，出来る範囲で進めた。具体的には，キーワード検索で議会文書を検索するシステムを組んだ小樽商科大学チームによるチュートリアル研究会の開催などである。また，他の研究者との交流を進めることで，テキストマイニングを思想分野に持ち込むことの意義や限界についての知見を共有することが出来た。その中には，品詞の選択などキーワードのわずかな設定いかんで，結果に大きな差が出るということも含まれている。そのため，ツールが出来ればおしまいというのではなく，「使いこなし」という技法について，今後も慎重につみ重ねて行く必要がある。こういった成果は，翌年度以降にメンバーによる出版等で日の目を見ることになった。
新型コロナ感染症の影響によって，テキストマイニングのツールに関わる部分については，若干の遅れが生じている反面，ツールを利用していくための材料となる部分については，計画通りに進んでいると考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
我々の研究チームは，新自由主義思想の専門家とこの分野の専門的技術的なサポートが出来る人材など多様なメンバーなどが集まっているところに特徴がある。この利点を活かすためには，直接集まってそれぞれの分野から様々な論点を出し合い，新たな気づきを得る必要がある。とりわけ，テキストマイニングという手法について，技術的な提供者側視点と，それを自分の専門分野に応用しようとする利用者側視点のすりあわせに妙がある。2020年度については，これについては残念ながら行うことが出来なかった。
しかし，他方で遠隔による機動的な研究会の開催というスタイルについて知見が進んだのも事実である。例えば，従来一つの研究会のために，早い目に日程調整をかけ，そのメンバーのために集まるということが前提となっていたが，ZOOM等の遠隔ツールを上手く使うことで，そういった制約に縛られず，他の研究分野のメンバーの研究会に機動的に参加出来るようになった。そのため，テキストマイニングのツールそのものについての知見ではないが，このツールの応用可能性などについて，当初考えていたよりも広い知見を得ることが出来た。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画では，ツールの改善等を進めた上で，他の分野の研究者とのオープンな交流という手順で考えていたが，新型コロナ感染拡大のため，結果的に他の分野の研究者との交流が五月雨式に進んだ。その結果得られた知見をもとに，今後は当初の目的の一つであるテキストマイニングのための検索ツールの改善に向けて，可能な限りブレーンストーミング的な研究会を開催し，これまで各自が進めてきた研究成果について一旦整理を行う。
この面での研究の進展には，対面開催が有効であると痛感している。その上で，最終年度としてまとめた研究成果の発表を進める方針である。
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