研究課題/領域番号 |
19H01473
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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研究分担者 |
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00283680)
柳 貴英 京都大学, 経済学研究科, 講師 (30754832)
文 世一 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40192736)
末石 直也 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40596251)
岩澤 政宗 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (50842994)
小西 葉子 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (70432060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | EBPM / 特定化検定 / 介入効果 / ビッグデータ |
研究実績の概要 |
因果推論に関して次の2つの研究課題に取り組んだ。1.観測できないグループごとに介入効果に異質性がある状況のための因果推論手法の開発。2.介入割当に対する不遵守とネットワーク波及効果がある状況のための因果推論手法の開発。両研究課題のための識別・推定・統計的推論手法を開発し、その統計的性質を導出した。年度内に得られた研究成果をまとめた論文を執筆し、各論文をarXivで公開した。関連する統計理論面では、データ分析に使うモデルの特定化検定に関する研究に取り組んだ。具体的には、操作変数回帰モデルにおいて関数形が滑らかでない場合のminimax検定について、検出力を最大にする平滑化パラメータの推定方法を提案した。また、提案した手法がうまく機能することを数値シミュレーションを用いて検証した。これまでに得られた研究成果の一部をまとめた論文を、査読付き国際学術雑誌に投稿、採択された。 次に、安定分布と呼ばれる分布のクラスのパラメータの推定方法について考察した。この分布は密度関数を陽に表すことができないが、特性関数は陽に表すことができるという特徴を持つ。本研究では、未知のスコア関数を三角関数が張る空間に射影することで得られる疑似的なスコア関数を用いてパラメータを推定する方法を提案した。疑似スコアは特性関数を用いて表現可能で、推定量は一致性と漸近正規性を満たすことを示した。 実証研究として、コロナ禍で、POSデータで品目レベル、家計簿アプリデータでPOSでは捕捉できない品目やサービス支出の消費動向の分析を行った。詳細性と速報性のあるビッグデータを活用することで、政策現場の迅速な判断に貢献した。成果を学術誌、経済誌、一般向けと異なるチャネルで発信することができた。また、武漢市のメッシュデータを用いて、地下鉄の駅配置が沿線の人口密度分布に及ぼす影響について実証分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度においては、コロナ感染症のために海外での研究報告に支障があったが、研究そのものは順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで因果推論に関して研究を進めてきた2つの課題は、観測できないグループごとに介入効果に異質性がある状況のための因果推論手法の開発と介入割当に対する不遵守とネットワーク波及効果がある状況のための因果推論手法の開発である。これらについて識別・推定・統計的推論手法を開発し、その統計的性質を導出し、ディスカッションペーパーの形で公表済みである。これらを更に改訂するために、国内、国外の学会や研究集会、セミナーなどで報告を行い、コメントを反映させる。それに基づいて最終版を作成して、国際学術誌に投稿する。 計量経済モデルにおける特定化検定の統計理論面では、操作変数回帰モデルにおいて関数形が滑らかでない場合の検定のミニマックス最適性について調べ、検出力を最大にするバンド幅決定法を提案した。また、提案した手法の小標本特性を数値シミュレーションによって確認した。これまでに得られた研究成果の一部をまとめた論文を、査読付き国際学術雑誌に投稿、採択された。今後は、上述のバンド幅をデータ駆動で推定する方法を提案し、また当該論文と別設定における最適性の理論を明らかにしこれを論文としてディスカッションペーパーとして作成する。 実証研究として、コロナ禍が与えるサービス支出の消費動向を引き続きモニターして詳細性と速報性のある知見を発出して政策現場に提供する。また、武漢市のメッシュデータを用いた、地下鉄の駅配置が沿線の人口密度分布に及ぼす影響について実証分析を引き続き行う。
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