研究課題/領域番号 |
19H01489
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
森 悠子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10748198)
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研究分担者 |
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
後藤 潤 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (30732432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インド / 政治 / 議席割り当て / 地方議会 / 情報 |
研究実績の概要 |
本研究は、民族・宗教・カースト・性別に基づく差別や貧富の格差の著しい民主主義国家インドを分析対象として、①情報の伝達手段や内容が投票行動に与える影響の検証、②贈収賄の起こりやすさの検証、③女性議員の議席割当制度の効果の検証、④地方分権改革の効果の検証、の4つの研究課題を遂行することを目的としている。これらの課題に関連して、2019年度は、地方議会における女性に対する議席割り当ての効果の検証、スマートフォンのアプリを通じた汚職に関するオンライン実験、という主に2つの研究を実施した。 一つ目の研究は、インドバンガロールにあるInstitute for Social and Economic Change (ISEC)との共同研究である。2019年7月に事前準備としてISECを訪れ、政府機関や村議会でインタビューを通じて制度や現状の把握を行った。そのうえで、質問票および調査計画をたてて、2019年12月から2020年2月にかけて、50村議会、1000人への1回目のインタビュー調査を行った。2回目の調査はKarnataka州における村議会選挙実施後の2020年度5月ごろを計画している(ただし、2020年4月現在、COVID-19の感染拡大にともない調査も選挙も延期)。 二つ目の研究は、本研究グループで独自に開発した汚職ニュース配信アプリをGoogle Playなどを通じてインドで配布し、アプリを通じた汚職に関するニュース配信および掲示板を通じた意見の交換が人々の倫理観に与える影響の検証を試みたものである。本研究については、インドの調査会社に謝金などの支払いを委託し、2020年2月から3月にアプリの公開を実施した。2020年度に統計的な分析を進める予定である。 以上の研究については、いずれも2020年度にデータの整理、分析を予定している。この他、関連する研究について国内外の学会での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた2つの大きな研究計画について実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、地方議会選挙の研究について地方議会選挙後に2回目の調査を実施すること、汚職に関するアプリ実験について統計的に分析すること、2021年度に実施する調査の準備を進めること、の3点について計画している。ただし、新型コロナウイルスの状況によっては、本研究グループがインドに渡航することが難しい状況が想定される。最悪の場合は、インドで都市封鎖が長引けば、インドでの調査も実施不可能となるかもしれない。その場合は、早い段階でオンライン調査などの代替手段を検討する。
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