研究課題/領域番号 |
19H01506
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 照義 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (10387607)
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研究分担者 |
川本 達郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10791444)
翁長 朝功 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90823922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | カスケード / 拡散 / ネットワーク・ゲーム / 順序局所性 / 閾値モデル |
研究実績の概要 |
経済学におけるネットワーク・ゲーム研究の文脈では、プレイヤー同士が繋がりのネットワークを構成している場合に、それぞれが利得を最適化した結果としてナッシュ均衡が存在するのか、存在する場合には安定性はあるのか、などが議論されてきた。この時、解析的な証明を得るためにネットワーク構造は単純化され、例えば規則的な格子グラフなどが想定されることが多い。 一方でネットワーク科学分野では、各個人の行動が単純な閾値ルールに従うことを仮定し、ネットワークを通じてどの程度影響力の伝播が起こるのかを解析的に求めることに重点が置かれてきた。ネットワーク構造はランダムネットワークなどの複雑な繋がりを持つものも想定され、より応用可能性の高い分析であるとも言える。 今年度の研究では、独立に発展してきた両分野の研究を結びつけるべく、ゲーム理論的基礎づけを持つ拡散モデルを構築し、統計物理学で用いられるメッセージ伝播法を用いることで複雑ネットワーク上でもカスケードサイズが正確に計算できることを証明した。また、メッセージ伝播式における均衡の存在性や収束性について解析的な証明を与えることで、ネットワーク科学における閾値モデルの解に対して解析的な特徴づけを行なった。 その他の研究としては、グラフにおける「順序局所性」と呼ぶ性質を提示し、現実のデータについて順序局所性の存在を検定する手法を提案した。また、スペクトル法で得られたグラフの頂点順序が、どの程度グラフのコミュニティ構造を捕捉しているのかも検討した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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