研究実績の概要 |
以下の3点を実施した。1.地域技術革新比較事例分析, 2.ビジネス教育評価アンケート調査分析, 3.海外実証調査 第1の地域技術比較分析では,日米欧の代表的地域を選択し,アメリカ合衆国の3地域(Boston, New York, San-Diego),ヨーロッパ(UK, France, Switzerland, Denmark-Sweden, Netherland, Belgium),日本(東京,京阪神)を選択して,そのミクロデータ(医薬品,研究,特許)を利用した,イノベーションの原因と成果の因果関係に関する分析を行った。このとき,医薬品の承認,研究開発データを用いて,医薬品の研究開発データに基づいた研究開発実施地域と,医薬品の承認データに基づいた医薬品の普及について,検討し,医薬品研究開発の世界的同時化2000年代に成立したが,そのなかで日本発の医薬品の海外への導出,海外発の医薬品の日本への導入について依然として遅れがあるということを示した。 第2のビジネス教育評価アンケート調査分析によって,マネジメント教育(MBA)教育を受けた学生とそうでない学生を比較して,前者が起業・スタートアップを促進することを示した。しかし,その起業を促進した因果関係としては,マネジメント教育そのもの,あるいは教育のため離職・休職したこと等,いくつかの可能性があり,さらに検討する必要がある。 第3に,海外実証調査を予定していたが,COVID-19に伴う渡航・移動制限によってこれが実施できず,研究期間を繰越したうえで,その代替調査方法として,研究協力関係が成立したインドのHyderabad公衆衛生学院のSuresh Munuswamy博士の地域イノベーション・プロジェクトを事例教材として,イノベーション過程の実証研究を行った。
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