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2022 年度 実績報告書

心的資産の機能探求と知的資産マネジメントに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01535
研究機関立命館大学

研究代表者

高橋 潔  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90298555)

研究分担者 中森 孝文  龍谷大学, 政策学部, 教授 (20397607)
内田 恭彦  山口大学, 経済学部, 教授 (40379508)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード心的資産 / 知的資産経営 / 付加価値
研究実績の概要

本年度には、新型コロナウィルス感染拡大に対応してきたため、研究成果の発表ならびに公刊は順調であった。その一方で、予想外の技術的トラブルに見舞われ、国際調査の実施に関しては大きな停滞が見られた。一言でいえば、研究実績については順調であった反面、次年度以降の研究成果に向けて禍根を残すこととなった。
本研究テーマに関して、研究代表者と研究分担者がそれぞれ分担して研究を積み上げてきており、英語論文を4編発表することができた。海外学術誌に掲載されたもの3編(うち国際共同論文が2編)あり、海外研究者との間で培ってきた関係性が機を熟し、共同研究の実施と論文の発表という形で結実した。また、寄稿として国内一般誌等に11本発表することができた。
特筆すべきこととしては、研究代表者が編者となって、他大学ならびに他機関の研究者からの貢献を受けて、2冊の書籍を上梓したことである。研究代表者だけでなく、研究分担者も書籍に貢献を行い、社会的に影響力のある書籍として刊行されたことは大きな成果である。また、研究分担者が、1冊の分担執筆を行っており、書籍3冊に研究成果が示されている。その一方で、新型コロナウイルスの影響を受け、国内・国際学会での口頭発表は4件と、比較的低調に終わった。この点は今後改善を行うべき点である。
研究代表者と研究分担者は、心的資産の中核となるリーダーシップや利他心や組織開発について、研究成果を発表するだけでなく、広く一般に啓蒙を行ってきた。そのことが、本年ならびに将来の実績に直結することを実感している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響で、フィールドにおける調査に苦労が多かったために、研究活動の多くは、論文や書籍の執筆に注力された。その結果、成果発表の面ではいくつもの貢献が示されたといってよい。その一方で、調査活動や情報収集の進捗に一部停滞が見られている。とくに研究代表者は、オンラインでの国際比較調査を行うべく、日本語・英語・中国語の3カ国語で質問紙を作成し、日本、アメリカ、インド、中国の4カ国において、ウェブを使った社会調査を実施すべく準備を進めていた。調査準備が整い、実査開始前の最終段階において、調査を仲介する組織の技術的トラブルが発生し、計画されていた4か国調査が完了されないという予想外の事態に陥った。本年度内の実査が不調に終わったため、国際調査を断念することなく、調査に向けた準備をそのまま継続している。しかし、調査不完了という不測の事態が、研究進捗の面で影を落としている。
他方、研究分担者が中心となった国内調査には、着実な進捗が認められている。フィールドにおける現地調査の補完計画については、いまだ明確な見通しをもつことができないものの、企図した調査は順調に実施され、有用なデータが収集されている。そのデータを解析することによって、新たな研究成果の発表が次年度に計画されている。

今後の研究の推進方策

本研究課題の最終年度にあたり、引き続き、論文や書籍などの印刷物を通した研究発表に対して、継続して注力する。印刷物形式での公刊は大幅に時間を要するため、それに応じた時間管理が必要であるが、過年度からの研究努力の積み上げを生かし、複数の論文投稿を継続的に行ってきているため、研究論文の公刊がある程度見通せるだろう。その一方で、オンライン形式から対面形式での学会開催が多くなるにつれて、年次大会への参加意欲が増していくことが期待されるため、口頭発表に向けて努力をより一層行っていく。国内学会はもとより、国際学会の機会をとらえて、研究成果発表を行うことをめざす。
新型コロナウィルスの感染拡大が終息を見せたために、現地訪問を伴う調査活動を再開する。また、技術的トラブルを抱えて実施ができなかった国際調査に関して、規模を縮小しながら、調査の完了をめざす。国際調査をオンラインで実施する手法は、わが国ではまだ普及しておらず、苦労が多いが、そのノウハウを獲得することは、本研究課題が大きく飛躍する基礎を築くことができる。
また、年度内に公刊が難しいと思われるものの、本研究課題全体にかかわる研究成果をまとめて、書籍として公刊するための打ち合わせや章執筆に取りかかることも計画する。

  • 研究成果

    (24件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] New York University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      New York University
  • [国際共同研究] Western Michigan University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Western Michigan University
  • [雑誌論文] ひと手間の効果に関する一研究―飲食店のひと手間を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      中森孝文
    • 雑誌名

      商工金融

      巻: 73 ページ: 19‐49

  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第4回モチベーションの真意をとらえる2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 593 ページ: 50-51

  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第5回組織を変える対話型組織開発2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 595 ページ: 52-53

  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第6回ポジティブ組織開発が未来をつくる2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 597 ページ: 50-51

  • [雑誌論文] An Analysis of Work Engagement Based on the Job Demands-Resources (JD-R) Model.2022

    • 著者名/発表者名
      Higuchi, T., Takahashi, K., & Yan, L.
    • 雑誌名

      Global Business Journal

      巻: 8 ページ: 24-33

    • DOI

      10.32169/gbj.8.1_24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mediation of Work Engagement Towards Productive Behaviour in Remote Work Environments during Pandemic: Testing the Job Demands and Resources Model in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, K., Yokoya, R., & Higuchi, T.
    • 雑誌名

      Asia Pacific Business Review

      巻: 印刷中 ページ: 1~21

    • DOI

      10.1080/13602381.2022.2084848

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] The Tripartite Thinking Model of Creativity2022

    • 著者名/発表者名
      Horikami, A. & Takahashi, K.
    • 雑誌名

      Thinking Skills and Creativity

      巻: 44 ページ: 1~24

    • DOI

      10.1016/j.tsc.2022.101026

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Factors Influencing Consumer Loyalty: A Study of Japanese Retail Stores2022

    • 著者名/発表者名
      Nakamori, T., Newell, S. J., & Han, B. T.
    • 雑誌名

      Journal of Asia-Pacific Business

      巻: 23 ページ: 73~88

    • DOI

      10.1080/10599231.2022.2032958

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第1回組織を変える2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 588 ページ: 50‐51

  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第2回リーダーシップ・リテラシーを高める2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 590 ページ: 50-51

  • [雑誌論文] 組織心理学で看護部を変える 第3回モチベーションの3つの骨組み2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      看護のチカラ

      巻: 592 ページ: 44-45

  • [雑誌論文] 心理学と脳科学からひも解くこれからのリーダーシップ2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      Power of Work

      巻: 30 ページ: 2-4

  • [雑誌論文] 職場の心理学 米国流リーダー論に違和感あり!「日本型リーダーシップ」を探れ2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      プレジデント

      巻: 60(16) ページ: 90-92

  • [雑誌論文] 昭和、平成、令和の人事評価史 地味な人にも脚光!「優秀な社員」の定義が激変中2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔・岡瑞起
    • 雑誌名

      プレジデント

      巻: 60(11) ページ: 48‐51

  • [雑誌論文] 集団には「リーダーシップ」と「カニ」が現れる2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 雑誌名

      子供の科学

      巻: 85(6) ページ: 44

  • [学会発表] 中山間地域における同一農産品生産事業者による仮想企業体の機能:山口県山口市阿東徳佐地域のりんご生産地のケース2023

    • 著者名/発表者名
      西村晋之介・内田恭彦・平野哲也・宮井浩志
    • 学会等名
      日本知的資産経営学会西日本部会
  • [学会発表] 採用面接における非言語感情表出が合否に及ぼす影響―AIによる表情動作解析の結果2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔
    • 学会等名
      産業・組織心理学会第37回大会
  • [学会発表] 顧客との心理的契約―経営行動科学概念の応用展開に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      犬塚篤・髙橋潔・山岡隆志・山口景子
    • 学会等名
      経営行動科学学会第25回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ワーク・エンゲイジメントの先行要因と結果要因:リモートワーク環境下における実証研究2022

    • 著者名/発表者名
      樋口知比呂・髙橋潔
    • 学会等名
      経営行動科学学会第25回大会
  • [図書] リモートワークを科学する I [調査分析編]2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔・加藤俊彦
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      白桃書房
    • ISBN
      9784561267584
  • [図書] リモートワークを科学する II [事例編]2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋潔・加藤俊彦
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      白桃書房
    • ISBN
      9784561267591
  • [図書] 「対話」を通したレジリエントな地域社会のデザイン2022

    • 著者名/発表者名
      村田 和代・阿部大輔(中森孝文)
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-58768-7

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公開日: 2023-12-25  

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