研究課題
本研究の課題は、「強力な流通チャネルを構築した製造業者が、新たなチャネル環境に直面した時に、すぐに転換できないのはなぜか?」「製造業者が現行のチャネルを見直し、新たなチャネル体制の構築を図る際に、それを駆動する要因は何か?」という問いに対して、新制度派アプローチに基づいて、理論的・実証的な回答を導き出すことである。当該年度においては、(1)チャネル構造転換に関する既存研究のレビューを行った上で、(2)構造転換に関する現象の整理、および(3)構造転換と企業業績等の因果関係に関する実証的探究が行われた。具体的な成果の1つである崔(2022)は、既存研究が企業のチャネル構造転換・再編行動を分析の射程に入れてこなかったことを問題視し、重要なチャネル転換・再編行動であるチャネル拡張に焦点を当て、それに関連する先行研究の文献レビューを行った。その上でチャネル転換・再編行動の類型を弁別するための試案的な枠組みを提案した。また石井(2022)は、企業の高い収益性につながるような、チャネル構造やチャネル関係にかかわる多様な条件(関係特定的投資、コミュニケーション、パワー、コンフリクト、チャネル統合、デュアルチャネル等)の組み合わせパターンを、質的比較分析(QCA)という手法を用いて、実証的に探究した。さらに結城(2021)では、新たに観察されるチャネル環境としてPB(プライベート・ブランド)の台頭に注目し、流通業者の交渉力が増す中で、製造業者はいかにしてPBの受託経験をNB(ナショナル・ブランド)の開発力強化に活かせるかを、実証的に探究した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
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経済志林
巻: 89 ページ: 印刷中
マーケティングジャーナル
巻: 42 ページ: 印刷中
国民経済雑誌
巻: 226 ページ: 印刷中
同志社商学
巻: 73 ページ: 43-60