研究課題/領域番号 |
19H01548
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
梶原 武久 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30292080)
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研究分担者 |
小沢 浩 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (40303581)
丸田 起大 九州大学, 経済学研究院, 教授 (70325588)
窪田 祐一 南山大学, 経営学部, 教授 (40329595)
篠田 朝也 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (50378428)
大浦 啓輔 立命館大学, 経営学部, 教授 (20452485)
北田 智久 近畿大学, 経営学部, 講師 (00803777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 原価企画 / 戦略的コスト・マネジメント / モジュラー型製品開発 / マスカスタマイゼーション / 組織間コスト・マネジメント |
研究実績の概要 |
第1に、自動車メーカーを対象としたフィールドスタディに基づき、近年、自動車メーカーが積極的に取り組んでいるモジュラー型製品開発が、原価企画、コスト・マネジメント、組織間関係に及ぼす影響について検討を行った。分析の結果、モジュラー型製品開発の採用により、個々の製品開発プロジェクトを対象とする原価企画の限界が明らかになり、コスト・マネジメントや組織間関係に新しいアプローチが求められることが明らかになった。 第2に、上記のフィールドスタディを通じて明かとなったことを定量的に分析するための準備作業として、自動車部品に関するデータベースの構築の作業と質問票調査の設計を進めた。次年度以降、本データベースと自動車部品メーカーを対象としたサーベイ調査を統合することによって定量的分析を行うための基礎的作業を行うことができた。 第3に、原価企画が個人やグループの創造性や協力行動に及ぼす影響に関する実験研究について、経済学と心理学の先行研究に基づき理論的な検討を行った。また、現実に即した実験計画を行うため、鉄道車両、バイク、大規模建築などの開発エンジニアやコスト・エンジニアを対象とするフィールドインタビューを実施した。フィールドインタビューの結果、タイトな開発スケジュールや原価目標がエンジニアの創造性を阻害することがあることやコストエンジニアが有するコスト知識が、エンジニアの創造的な問題解決を促進することなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の研究実施計画に具体的に記載した事項について、概ね達成することができた。「主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析」のデータベース化の作業について、学生雇用を予定していたが人員が十分に集まらず、外部の業者に依頼することになり、外注費が嵩んだ。また、新型コロナウィルス感染の広まりの影響を受けたため、予定した年度分よりも少ない年度分しかデータベース化の作業ができなかった。この点について、若干の遅れがあるが、フィールドスタディ、質問票設計、実験計画が予定以上に進んでいることから、「(2)おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
第1に、「主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析」のデータベース化について、外部の業者を使用しながら作業を継続する。データベース化が完了次第速やかにメンバー間で共有し、分析を進める。 第2に、実験研究について、共同研究者である南洋理工大学(シンガポール)のHuaxiang Yin教授の支援が不可欠である。実験用タスクの設計や論文の作成のために、南洋理工大学を訪問することで、実験研究を推し進める。 第3に、自動車部品メーカーを対象としたサーベイ調査を2020年度中に実施したいと考えているが、新型コロナウィルス感染の拡がりのため調査のタイミングを上手く見極める必要がある。状況を見ながら、2021年度への延期も視野に柔軟に対応したい。
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