研究課題/領域番号 |
19H01590
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
和気 純子 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (80239300)
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研究分担者 |
大和 三重 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00213900)
VIRAG VIKTOR 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (10804297)
松尾 加奈 淑徳大学, その他部局等, 助教 (60727478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ソーシャルワーク / 多文化共生 / グローカル |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバル化とローカル化の同時進行によって生じる生活課題への対応を、グローカル・ソーシャルワークの観点から追究し、多文化共生社会の構築に必要な実践方法の開発をめざすものである。 2019年度は、6月2日に同志社大学において「入管法改正を受けて国際移住へのソーシャルワークの対応を考える」と題し、先進的実践地域であるカナダ、東海、関西の研究者/実践者を招いてセミナーを開催した。 また、8月には韓国、9月にはフィンランドの現地調査を行った。韓国は、2008年から多文化家族支援法を施行し、全国の行政区に多文化家族支援センターを設置し、外国人とその家族の相談、言語支援、法律相談等の生活支援を行っている。今回の調査では、多文化支援センターをはじめ、外国人労働者が多く住み、外国人特区となっている安山市のグローバルセンター等を訪問し、体系的な外国人支援の現状を調査した。また、フィンランドでは、移民統合促進法による外国人の就労、教育、生活支援について、労働センター、難民協会、国際ハウス、地域交流センター等を訪問調査し、生活支援から社会統合がめざされている点、政府のみならず、非営利民間団体やボランティア、市民らが、社会統合にむけた多様な役割を果たしていることが理解された。また、タンペレ―大学にて、ティモ・ハリカリ教授らと共同でセミナーを開催し、4名が全員参加し、発題した。 これらの調査結果については、研究代表の和気が2月23日に立教大学で開催された日本学術会議社会福祉学分科会において「多文化主義と福祉教育」のテーマで報告したほか、9月にインドで開催されたアジア太平洋国際ソーシャルワーク会議、同じく9月にオーストリアで開催された第9回Aging & Society国際会議で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、概ね順調に研究を進められた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に、2020年度から着手を予定している日本における外国人介護士への調査研究にむけて、その可能性を探る予備的な訪問調査を実施した。来年度は、施設の相談員等に対して郵送調査を実施し、外国人介護士との協働をめぐる現状と課題を明らかにし、多文化ソーシャルワークの方法論について検討していきたい。ただし、2月以降から始まった新型コロナウィルスの感染拡大により、海外および国内の出張ができなくなり、また施設等が訪問禁止を打ち出していることから、来年度の研究の遂行に支障がでるおそれがある。今後の感染状況の推移にもよるが、WEB会議の開催などを取り入れるなど、研究計画の練り直しが求められる。
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