研究課題/領域番号 |
19H01590
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
和気 純子 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (80239300)
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研究分担者 |
大和 三重 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00213900)
VIRAG VIKTOR 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (10804297)
松尾 加奈 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (60727478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グローカル・ソーシャルワーク / 外国人介護士 / 国際ソーシャルワーク / 多文化共生 / 新型コロナウィルス |
研究実績の概要 |
2020年度は、緊急事態宣言が発令され、多くの国々がロックダウンの状況となるなか、4月~5月にかけて20カ国程度のソーシャルワーク研究者らと2週間に1回の頻度でオンライン研究会を開催した。研究会の成果として、4月~5月のロックダウン下の各国のソーシャルワークの状況を分析し、6月に各国でレポートを作成した。日本に関するレポートを本研究チームで担当、7月に報告書が作成され、国際ソーシャルワーク教育学校連盟のサイトに掲載された。この報告書には17各国が含まれるが、これを本研究チームで翻訳し、11月に日本ソーシャルワーク教育学校連盟のHP上で公開した。また、各国の分析をもとに、アジア太平洋地域国際ソーシャルワーク教育学校連盟主催のシンポジウムに研究代表者が登壇し、日本のコロナ禍におけるソーシャルワークと社会的連帯について報告、議論し、さらに日本ソーシャルワーク学会の研究セミナーでも基調報告(招待講演)を行った。 また、今般のパンデミックで最も影響を受けている高齢者ケアの領域におけるソーシャルワーカーらのグローカルな実践状況を把握するため、関東一都6県の特別養護老人ホームおよび老健施設からそれぞれ500か所無作為抽出し、各施設の施設長、相談員、介護主任の3名を対象に郵送調査を2021年2月に実施した。特養ホームから259名(17%)、老健施設から194名(12%)、相談員(19%)、施設長(12%)、介護主任(14%)から有効回答を得て、現在、分析中である。 このほか、共同研究者の大和が「新型コロナウィルスと高齢者」で論考を発表したほか、松尾およびViragが国際ジャーナルに共著でコロナ禍における日本の対応について報告した。また松尾が日本における国際ソーシャルワークの教育と研究について論考をまとめ、紀要に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、感染拡大のため国内外への出張ができず、海外の研究者らとの協議やヒアリング、国際シンポジウムや学会報告はすべてオンラインとなった。また、高齢者施設への調査は郵送調査としたため、3度目の緊急事態宣言下である2月実施であったことから回収率は平時と比べて低いものとなったが、統計的分析可能な回答をえることができた。しかしながら、海外での実地調査ができなかったことから、多文化共生ソーシャルワークの先進事例の調査をすすめることができず、研究の進展はやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は本研究の最終年度であり、これまでの研究の総括を行う予定である。ただし、依然として海外渡航が困難であることが予想されるため、国際シンポジウムはオンラインで実施する予定である。 また、2021年2月に実施した、高齢者施設への質問紙調査の分析を進めるとともに、その結果を反映させながら、多文化共生システム構築にむけた研修プログラムの開発を行い、セミナーを実施してプログラムを試行、評価する。
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