研究課題/領域番号 |
19H01592
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研究機関 | 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部) |
研究代表者 |
福原 宏幸 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), 企画・研究部, 非常勤研究員 (20202286)
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研究分担者 |
中村 健吾 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70254373)
廣瀬 真理子 東海大学, 教養学部, 客員教授 (50289948)
亀山 俊朗 中京大学, 現代社会学部, 教授 (70507425)
平野 寛弥 目白大学, 人間学部, 准教授 (20438112)
嵯峨 嘉子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30340938)
柳原 剛司 松山大学, 経済学部, 准教授 (40633251)
松原 仁美 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70736347)
太田 美帆 静岡大学, 農学部, 助教 (70755355)
土岐 智賀子 兵庫県立大学, 女性研究者支援室, 特任助教 (30709291)
嶋内 健 立命館大学, 産業社会学部, 授業担当講師 (70748590)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 福祉レジーム / シティズンシップ / 社会的排除・包摂 / アクティベーション / 移民・難民支援 / 社会的連帯経済 |
研究実績の概要 |
2019年度は、研究代表者と10人の研究分担者のうち、6名が海外での調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染が2020年1月から全世界に拡大したことにともなって、実際に海外調査に出発できたのは3名であり、またそのうちの1名は現地都市のロックダウンによってホテルでの足止めを受け調査を実施することができなかった。なお、調査を実施した亀山俊朗は、イギリスで欧州とイギリスにおけるシティズンシップをめぐる議論と政策についての調査を実施し、平野寛弥は、イギリスにおける福祉制度改革についての調査を実施した。また、現地調査を実施できなかったのは、松原仁美(フランス)、太田美帆(スウェーデン)、土岐智賀子(イタリア)、福原宏幸(ベルギーとフランス)である。 研究代表者と研究分担者は、EU福祉レジーム・市民権研究会を組織しており、2019年6月と11月の2回にわたって、全員が集まっての研究会を開催し、調査・研究の成果の共有を図った。とくに、2015年8月に研究会メンバーの共著によって刊行された第2弾の研究成果『ユーロ危機と欧州福祉レジームの変容』以降の、欧州における福祉レジームの変化と実態について、総括的な討論を実施した。 また、2019年10月20日に開催された社会政策学会第139回大会において、分科会「EUにおけるシティズンシップの進化と変容」を開催し、参加者との討議を経て研究についての多くの助言をえた。このような研究活動を経て、2020年に刊行を予定している第3弾の研究成果の刊行に向けて、調査対象各国の福祉レジームについての共通した論点並びに各国の独自性などについての整理を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大にともなって、予定していた6件の海外調査のうち4件が実施できなかったため、調査研究は予定よりも遅れることとなった。 しかし、文献研究、インターネットを活用した情報収集によって、この調査研究の遅れを補うことに努めた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、2019年度の科研費による調査研究の成果と、それ以前に取り組んできた研究の成果を踏まえて、EU福祉レジームの現状と政策論点の整理を通して中間的な研究成果の取りまとめを図り、共著を刊行する予定である。そこでは、①アクティベーション政策のさらなる進展とその変容、②社会的包摂政策としての社会的連帯経済の展開、③欧州における移民・難民問題とシティズンシップの変容が議論の軸となる。 また、2020年度は、これらの論点に加え、EUのいくつかの国でアクティベーションと最低所得保障政策(ベーシックインカム論を含む)を相互に関連づけた試行的な政策実施が展開されていることから、この政策の実態とその効果などの検証を行うこととする。さらに、感染拡大が当面続くと予想される新型コロナ・ウイルス感染が、欧州福祉レジームに及ぼす影響についても注視し、調査研究を行う。 なお、海外現地調査については、2019年度に実施できなかった4件の調査と、当初から2020年度に予定していた1件の調査、計5件の現地調査の実施を予定している。
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