研究課題/領域番号 |
19H01593
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
筒井 孝子 兵庫県立大学, 経営研究科, 教授 (20300923)
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研究分担者 |
東野 定律 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (60419009)
大夛賀 政昭 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (90619115)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 介護技術評価 / OJT / 人材マネジメント / 質保証 |
研究実績の概要 |
本研究は、介護サービス産業における深刻な人材不足を解決するための方策のひとつとして、早期離職率の低下を目指した介護サービス事業所内でのOJT体制整備のためのマニュアルの作成、そして、OJT体制整備に伴う適切な人材マネジメントの在り方を検討し、このプロセスを明らかにするとともに、その適用効果の検証することを目的としている。 研究計画では、施設や在宅で介護サービスを提供している概ね1000程度の任意の介護サービス事業所に対して、介護人材の育成やキャリアアップ推進や定着率を高めるために、事業所内で①どのようなマネジメントが実施されているか、また、このマネジメントを担う人材の養成や、その人材マネジメントの担当者の配置を伴う継続的なOJTに関わる実態調査を実施し、この調査の分析結果から、OJT実行マニュアルの基礎データを入手することを予定していた。 今年度は、施設や在宅で介護サービスを提供している事業所に対して、介護技術向上の取組として、介護キャリア段位制度レベル認定実績有事業所を取組後の群、実績無事業所を未取組の群それぞれ400事業所を対象として介護人材マネジメントや継続的なOJTに関する実態調査を実施し、216事業所からデータを収集し、基礎的な実態把握を行った。 この結果、介護キャリア段位制度に取り組んでいる事業所では、OJT実施に必要な要件整備をしていることや(指導者の育成、配置、介護職員のスキルアップにむけたプランやパスの提示)、新人職員以外にもOJTを行い、組織的に取り組む体制整備をしていること、OJT実践につながる、PDCAの各プロセスを踏まえていることといった特徴があることが明らかになった。 今後は、さらなる分析によって、指導者がどのようなプロセスでOJTを実施し、その結果職員がどのように介護技術が高まっているかを明らかにし、これをマニュアル化することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に、施設や在宅で介護サービスを提供している事業所に対して、介護技術向上の取組として、介護キャリア段位制度レベル認定実績有事業所を取組後の群、実績無事業所を未取組の群それぞれ400事業所を対象として、介護人材の育成やキャリアアップ推進や定着率を高める人材マネジメントや継続的なOJTに関する実態調査を実施した。この結果、216事業所からデータを収集・分析し、介護人材マネジメントに関する基礎的な実態の把握を行った。計画通りに、基礎的なデータを収集できていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度データの追加的分析を行うことで、指導者がどのようなプロセスでOJTを実施し、その結果職員がどのように介護技術が高まっているかを明らかにすることを予定している。 また、昨年度調査に回答した事業所のうち、人材マネジメントが 実施されている事業所を対象として、継時的OJTとその効果に関わる調査を実施し、このデータの分析を行う。これらの分析結果をもとに、個々の職員の介護技術評価を基礎としたOJT実行マニュアル案を作成することを予定している。
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