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2019 年度 実績報告書

混合介護の導入による介護保険政策の転換と非営利事業者の「営利化」

研究課題

研究課題/領域番号 19H01594
研究機関東洋大学

研究代表者

須田 木綿子  東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)

研究分担者 門 美由紀  東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (40732780)
米澤 旦  明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60711926)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード混合介護 / 介護保険 / 入所施設 / 通所介護 / 訪問介護 / 退出パターン
研究実績の概要

混合介護の導入に関する介護保険指定事業者の取り組みを明らかにするために、申請者らが2005年以来行ってきたパネル調査を活用して、東京都23区内の2区の入所施設事業者、通所事業者、訪問介護事業者の全数を対象とする調査を行うことが、本年度の目的であった。調査対象は、2011年度に実施した前回のパネル調査の対象者と、新たに参入した事業者である。そしてそのリストをもとに、退出した事業者を確認し、存続している事業者には構造化された質問紙を用いての電話調査を実施した。調査内容は、組織の属性(法人格、従事する介護事業の種類、事業規模)、組織のパフォーマンスとポリシー(定員、利用者数、歳出入バランス、全収入に占める介護報酬の割合、収益追求意欲、低所得者支援などのポリシー)、混合介護の導入状況(混合介護導入予定の有無と時期、導入を検討している有料サービスの内容と対象)である。調査は滞りなく終了した。
この報告書を作成している2020年6月の時点で、単純集計が得られている。対象となった647件の事業者のうち、退出が150件(23.18%)であった。存続している事業者のうち、過去の調査すべてに回答したは394件のうち253件(64.2%)から有効回答を得た。それ以外に52件から回答を得ており、補正を試みて可能であれば分析に含めたい。
完全にデータが整っている253件のうち、混合介護の導入計画が「ある」と回答したのは65件(25.7%)で、逆に「ない」という回答が151件(59.7%)と大多数を占めた。このような回答が得られた要因について、調査対象とはった647件の退出パターンと法人格との関わりにおいて検討を進める。
なおこの間、今回の調査の対象となる事業者のリスト作成の過程で2011年度の調査に回答した事業者の退出パターンを把握できたので、これに関する論文を執筆し、国内の学術誌に投稿した。

現在までの達成度
現在までの達成度

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画に従って調査を無事に行うことができた。また、研究期間の初年度ながら、論文の投稿に至ったことは、計画していた以上の成果であった。
混合介護を試験的に実施している自治体との関係も構築でき、会議の膨張を継続的に実施している。2020年度以降の研究に向けての準備も順調に整っている。

今後の研究の推進方策

介護保険指定事業者の退出には異なるパターンが存在し、それによって介護保険指定事業者間の分化が進んでいる様子がうかがわれた。社会学領域の組織論では、組織は依存する資源の差異に応じて分化するとされるが、介護保険指定事業者は収入の80%を介護報酬に依存している。すなわち、同様の資源に依存しつつ、退出パターンを差異化させることで分化を進めているといえ、理論的にも興味深い現象である。これについて、投稿論文を執筆する計画である。
あわせて、2019年度に収集したデータを整え、解析を進めるとともに、混合介護を導入している自治体の観察を続ける。

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公開日: 2021-01-27  

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