研究課題/領域番号 |
19H01601
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
木原 活信 同志社大学, 社会学部, 教授 (20275382)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ジョージ・ミュラー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまでアカデミックな俎上にはのぼることのなかったミュラーの人物像を社会事業史のコンテキストで実証的に解明することであるが、2021年度は、ジョージ・ミュラーの資料の整理、解読、特に孤児院創設に至る経緯やその苦悩を実証的に明らかにすることができた。以下の論文を公開することができた。 「ジョージ・ミュラーの青年時代の迷走と回心―孤児院創設に至る軌跡(1805-1835)―」『評論・社会科学』137号、「ジョージ・ミュラーの孤児院草創期(1835-1842)の苦悩と試練-精神的不調と財政上の危機―」『評論・社会科学』138号 、「ジョージ・ミュラーの資(史)料と先行研究の批判的検討」同志社大学人文科学研究所『キリスト教社会問題研究』第70号 これまで、社会福祉学の研究史上において、未解明で、等閑視されてきたミュラーの実像の史実の発見であるばかりか、新しい社会事業史の解明につながり、研究結果においても学術的独自性が期待できる。またキリスト教社会福祉学においても、これまで、どちらかと言えば社会派の関連が福祉の直接的影響の中心として議論されてきたのに対して、ほとんど表舞台にあらわれることのなかった福音派や敬虔主義という内的信仰や神秘主思想が、逆説的に社会福祉の形成にもっとも強い影響の一端を担った可能性への探究は独創的かつ発展的であり、学術的創造性が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
原資料の解読とともに論文執筆が順調にすすんでいるゆえ。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の状況を鑑みて現実的な達成課題を検討する。 具体的には、これまで、社会福祉学の研究史上において、未解明で、等閑視されてきたミュラーの実像の史実の発見に向けて、国内の資料を整理していく。それにより、新しい社会事業史の解明につながり、研究結果においても学術的独自性が期待できる。 キリスト教社会福祉学においても、これまで、どちらかと言えば社会派の関連が福祉の直接的影響の中心として議論されてきたのに対して、ほとんど表舞台にあらわれることのなかった福音派や敬虔主義という内的信仰や神秘主思想が、逆説的に社会福祉の形成に強い影響を与えたことを、国内外の文献から証明していく。
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