本研究は、英国のジョージ・ミュラーの福祉思想が日本の社会事業形成へ与えた影響に関する総合的研究である。本研究では、1)これまでほとんど学術的に解明されることのなかったミュラーの人物像を実証的に解明した。その際、彼が強く影響を受けたドイツの敬虔主義思想を明らかにすること。また彼もその運動のリーダーであった英国のブラザレン運動を実証的に解明が中心となる。そして、2)そのミュラーが日本に及ぼした影響について、山室軍平のミュラーの影響にかかわる実証的研究、そして石井十次のミュラー理解とそのプロセスを詳細に明らかにすることによってミュラーの福祉と日本近代の社会事業形成の影響の全体像を解明した。
|