研究課題/領域番号 |
19H01604
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
村山 陽 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90727356)
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研究分担者 |
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
長谷部 雅美 聖学院大学, 心理福祉学部, 准教授 (70773505)
高橋 知也 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90813098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 援助要請 / 単身男性高齢者 / 社会的孤立 / 貧困 |
研究実績の概要 |
本研究は、貧困や社会的孤立状態にある単身男性高齢者が、近隣や自治体等からの支援を受けること(援助要請)を阻害する要因・促進する要因を把握した上で、援助要請を促すための具体的な支援方法について提案することを目的としている。 2019年度は(1)環境上・経済的理由のため市区町村長の措置により都内のA養護老人ホームに入所している男性高齢者80人余り(単身・生活困窮経験者)を対象にしたインタビュー調査、(2)地域在住の単身高齢者30人余りを対象にしたインタビュー調査、をそれぞれ実施した。その他、調査データを解析するにあたり、質的研究を専門とする研究者を交えた質的分析研究会を2回開催して質的分析手法の指導を受けた。 質的分析手法である複線径路等至性モデル(TEM)によりインタビュー・データを解析した結果、単身男性高齢者には困難な状況に際してもそれを困難事として認識しない傾向が認められた。さらに、単身男性高齢者における援助要請の抑制には、ソーシャル・サポート資源の不足とともにライフコースを通した援助要請の失敗経験が影響していることが明らかにされた。これらの結果から、単身男性高齢者の援助要請を促すには、より早い時期から社会関係を構築し、それを通した現状把握と将来展望を進める取組が重要であることが示唆された。 本調査の結果をもとに、2020年度に実施予定の郵送調査に向けて“援助要請行動の促進要因および阻害要因を測定するための項目”を検討している。本研究成果の一部は学会で発表し、また共著論文として投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、研究会議を定期的に開催して単身男性高齢者を対象にした面接調査を実施できており、おおむね研究計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、地域在住の単身高齢者を対象にした無作為抽出による郵送調査を実施し、その分析を行う予定である。
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