研究課題/領域番号 |
19H01607
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (20252546)
|
研究分担者 |
北口 紗織 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (10573561)
廣澤 覚 地方独立行政法人京都市産業技術研究所, 京都市産業技術研究所, 主席研究員 (60514718)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 衣服 / 画像 / 色彩 / 視感評価 / 測色 |
研究実績の概要 |
本年度は,前年度と同様に,下記に示す衣服画像の色認識・許容の実験調査,衣服の写真撮影・画像作成,衣服画像の色分析の3つを並行して実施した. 1.衣服画像の色認識・許容の実験調査: 開発した注目点・色認識解析ソフトウエアを用いて衣服画像と実際の衣服を多種類用いて視感評価実験(官能検査)を行い,見る人の色認識・許容を明らかにした.この視感評価実験では,一般的な使用状況下と近い条件で,できるだけ多くの組合せの実際の衣服サンプルとその商品画像を用いて,学生を被験者に,主観で評価・判断してもらう形で行った.しかしながら,新型コロナの感染拡大で,対面での実験が行えない時期もあり,予定のスケジュールでは実験を進めることはできなかった. 2.衣服の写真撮影・画像作成: 実験に必要な衣服や生地を購入し,また,実験用サンプルを作成した.特に,本年度は,写真撮影した画像を用いて,衣服の組織を拡大したり,人工的に色を変えたりして,視感評価実験用のサンプルを作成した. 3.衣服画像の色分析: 前年度と同様に,既存の分光放射輝度計による画像計測と,RGB値から色彩表色値への変換等の画像処理技術を用いて,衣服画像の色にかかわるピクセルごとの特性とその範囲を計測し,同時に位置(部位)情報も計測した.衣服には凹凸があるため,画像の色はそのピクセルごとにかなり広範囲の分布をとるが,これを位置情報と共にデータベース化した.また,その他の色彩計測機器を用いても,測色と色解析を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの感染拡大の影響で,海外の共同研究者の所属機関での視感評価実験も含め,本研究で行う予定であった対面での視感評価実験を行うことが困難な時期があった.また,研究発表を予定していた海外での学会に参加できなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
予定の計画より遅れてはいるが,研究の内容は,前年度に引続いて,衣服の写真撮影・画像作成,衣服画像の色分析を行う.その中でも,衣服画像の色認識・許容は,素材や光環境の条件,簡単な言葉で言えば,衣服の織編組織や照明の質によって影響を受けることがわかってきており,その影響についても調べる実験等を行っていく予定である.そしてさらに,得られた実験結果をもとに,色認識・色許容の傾向を解析し数量化を試みる.可能であれば,色の見えの判断を組み入れた何らかの統合的な数量化モデルを導き,色認識・色許容の評価を確立を試みる. 一方で,コロナ関連の影響で,海外で開催される学会への参加が困難となり,発表の機会が少なくなっていているが,できる範囲で,これまでに行った研究成果の発表の機会を探る.
|