• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

地方の若者にとっての職業教育訓練

研究課題

研究課題/領域番号 19H01620
研究機関北海道大学

研究代表者

上原 慎一  北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10269136)

研究分担者 佐々木 貴文  北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (00518954)
池谷 美衣子  東海大学, 現代教養センター, 講師 (00610247)
光本 滋  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10333585)
辻 智子  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20609375)
横井 敏郎  北海道大学, 教育学研究院, 教授 (40250401)
廣森 直子  青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (40315536)
野依 智子  福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40467882)
長津 詩織  名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (40553491)
肖 蘭  北海道大学, 高等教育推進機構, 特任講師 (50730793)
上山 浩次郎  北海道大学, 教育学研究院, 講師 (60751089)
宋 美蘭  北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (70528314)
阿部 誠  大分大学, 経済学部, 客員研究員 (80159441)
植上 一希  福岡大学, 人文学部, 教授 (90549172)
冨永 貴公  都留文科大学, 教養学部, 准教授 (90572553)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード教育学 / 職業教育 / 職業訓練 / 専門職 / 女性
研究実績の概要

本研究の目的は、地方とされる社会の現代的課題、具体的にいえば衰退する地域産業、尋常減少、労働力不足という諸問題の構造の解明や、解決策について、職業教育訓練はいかなる貢献をなしうるか、明らかにすることにある。実施に当たって、これまで通り以下の3つの領域に分かれて研究を展開してきた。(1)地方における専門学校、短期大学の役割と政策に関する調査、(2)企業立学校、専門職の歴史的・現代的意義に関する資料収集、(3)地方産業が抱える課題と職業教育訓練に関する調査、である。
(1)の領域に関しては事例分析に先立って、医療・看護系の専門学校進学の比率が高い地域について市町村別データにまで立ち入って分析を加えた。これまでの研究は、都道府県別の分析にとどまっており、今回の市町村別(それらを地域ブロックに加工)データ分析は、高卒後の進路研究に新たな地平を切り開く一歩となろう。それ加えて専門学校教員のキャリアに関する研究に新たに着手し始めた。また、保育士養成学校の発展についての分析や専門学校教員のキャリア形成に関する研究も展開しつつある。(2)の領域に関しては継続して中部地方の織物産地に関する資料収集を行っている。(3)の領域に関しては地方の水産業や農業の構造分析及び技能実習生、若者への就農支援に関する調査を継続している。前者については、沿岸域の過疎・高齢化で、若年層や労働集約的な作業形態を必要とする水産業・水産加工業分野での外国人依存の実態について具体的に明らかにした。後者については夏秋イチゴ農家等への調査を行い、新規農家同士の関係が就農後の職業能力形成に大きな役割を果たしていること、地域社会生活や余暇も含めた新規就農が促す就農者同士の関係の特質、持続可能な経営と農産物品目の特徴の関係が明らかとなった。
また、懸案であった東アジアの実態についての一定の成果を取りまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記(1)~(3)のそれぞれの領域について、一定の進展がみられる。(1)の分野では研究の進展とともに新たなデータを発見し、問題意識もそれに伴って発展する方向性が見えてきた。「地方の若者」の職業教育のみならず、進路の全体像の推移から諸課題の解決の新たな方向性を見出す可能性を模索している。本年度は九州・沖縄、東北地方についての新たな分析に着手する予定である。(2)の分野では日本青年館資料室に所蔵されている、全国各地の青年団活動者による手記の中に、農村地帯の繊維工場で働く女性たちに関するものが複数あることが確認できた。(3)の分野でも北海道の沿岸漁業の研究を着実に展開している。
懸案であった東アジア関連の研究は、一定の成果を見たものの、感染症の状況により、本格的に着手し得ていない。

今後の研究の推進方策

上記(1)~(3)の研究を事例や詳細なデータにもとづいて深める形で継続して遂行していく。(1)については可能な限り対象地域を広げていく。東北、九州島しょ部、沖縄の事例やデータについて、今後詳細に整理しながら、これまで明らかにしてきた「地方の若者」の進路の全体像の変容が今後どう展開するのか、考察していく。(2)については中部地方の工場に併設されていた企業立学校についての事例調査を進める予定である。(3)については沖縄の沿岸漁業、技能実習生の労働、生活実態にまで領域を広げて調査を展開していく。
さらに、昨年度まで十分に展開できなかった韓国・台湾に関する調査に着手できるよう、鋭意努力する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 保育士養成施設の構造変容とその背景に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      長津詩織
    • 雑誌名

      社会保育実践研究

      巻: 5 ページ: 9-17

  • [雑誌論文] あい路にある沿岸漁業が模索し始めた抜け道とは2021

    • 著者名/発表者名
      佐々木貴文
    • 雑誌名

      漁業経済学研究

      巻: 65-1 ページ: 1-17

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 長崎県・山形県における専門学校進学の実態について2020

    • 著者名/発表者名
      上原慎一・鈴木日向子
    • 雑誌名

      北海道大学大学院教育学研究院紀要

      巻: 137 ページ: 241-258

    • DOI

      10.14943/b.edu.137.241

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 水産業における外国人労働力の導入実態と今後の展望2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木貴文
    • 雑誌名

      水産振興

      巻: 625 ページ: 1-45

  • [雑誌論文] コロナ問題と漁業・水産加工業2020

    • 著者名/発表者名
      佐々木貴文
    • 雑誌名

      都市と農村を結ぶ

      巻: 70-11 ページ: 28-36

  • [雑誌論文] 高校内居場所カフェという実践2020

    • 著者名/発表者名
      横井敏郎
    • 雑誌名

      教育

      巻: 893 ページ: 88-93

  • [雑誌論文] 教育機会確保法の可能性と課題2020

    • 著者名/発表者名
      横井敏郎
    • 雑誌名

      教育制度学研究

      巻: 27 ページ: 153-158

  • [雑誌論文] The role of vocational education and training in multicultural integration in Taiwan2020

    • 著者名/発表者名
      Xiao,Lan
    • 雑誌名

      Study and Training for Work and Vocation in Society 5.0

      巻: 1 ページ: 72-80

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 専門学校教員のキャリア形成と専門性2020

    • 著者名/発表者名
      植上一希、佐藤明宏、児島功和、瀧本知加、丹田桂太
    • 学会等名
      日本教育学会
  • [図書] 韓国のオルタナティブスクール2021

    • 著者名/発表者名
      宋美蘭
    • 総ページ数
      214
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750351582

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi