研究課題
本年度は以下について実施した。(1) 共通カリキュラムに従って、各国の教科書やテストを参考に、継続的な学力測定を考慮し、英語の問題項目97個、算数の問題項目110個の項目バンクを構築した。(2) 作成した問題項目からテストに使用する問題項目を選択し、2つのテスト版を作成した。テストAは学力が低い国、テストBは学力が高い国が対象となるように問題項目を選択した。これまでの国際学力調査から、マラウイとウガンダは学力が比較的低い、ガーナは学力が比較的高いと予想した。そのため、テストを2種類作成した。テストAは、易しいから中間くらいの問題項目で構成し、マラウイとウガンダで実施することにした。テストBは、易しいから難易度が高い問題項目で作成し、ガーナで実施することとした。テスト2種類を比較可能にするために、テストAとテストBには、英語の問題項目20個、算数の問題項目18個の共通項目を設けた。使用した問題項目数は、テストAとテストBを合わせて、英語が60個、算数が62個であった。テストは、各教科各40項目で作成した。時間は90分であった。(3) 児童、教員、校長の属性や授業に関する情報を得るために質問紙を作成した。(4) マラウイにおいて、5年生と6年生にテストAと質問紙、教員と校長に質問紙、ガーナにおいて、5年生と6年生にテストBと質問紙、教員と校長に質問紙を実施した。調査は、マラウイは10~11月に、ガーナにおいて1~2月に実施した。(5) 収集したデータを入力し、クリーニングを行い、古典的テスト理論と項目反応理論を用いて、データを分析した。まず、全体的な正答率を算出し、トレースライン分析を用いて、能力による問題項目の正答率について分析した。次に、問題項目の困難度や識別力を算出した。そして、能力分布を作成し、学年別、国別で比較した。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウィルスの蔓延によって、マラウイやガーナでの現地調査が難しい状態であったが、現地の協力者などによりデータを収集することができた。しかし、もう1ヶ国のデータ収集が現地困難な状況により本年度中にできなかった。
今後の研究の方針は以下である。(1) もう1ヶ国でデータを収集する。(2) 収集したデータの分析を更に進め、修正する問題項目がないかどうかを確認する。(3) 3ヶ国のデータを分析する。(4) 2回目のデータ収集に向けて、テスト版を準備する。(5) 2回目のデータ収集を実施する。
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Data in brief
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広島大学
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