研究課題/領域番号 |
19H01627
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 好章 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
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研究分担者 |
坂本 將暢 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20536487)
サルカルアラニ モハメドレザ 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(教育), 教授 (30535696)
埜嵜 志保 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 助教 (10806475)
丹下 悠史 愛知東邦大学, 人間健康学部, 助教 (50801726)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 授業分析 / 授業理論 / 授業研究 / 問題解決学習 / 中間項 / 可視化 / インドネシア / モンゴル |
研究実績の概要 |
本研究では、授業分析に基づきながら、〈納得の学び〉〈協同の学び〉のような質の高い学びを創造するために、拠りどころとなる授業論の再構築を図ることを目指している。授業分析の成果をもとにして、コロナ禍やSociety5.0をふまえた学校教育や授業のあり方を検討し「今、ここにいる、私たちの学び」の意義とその実現に向けた課題を理論的に明らかにした。また、日本の学校の授業や、モンゴルの学校の授業を中心に、授業の詳細な事実にもとづいた授業分析を行った。モンゴルの授業分析のワークショップを実施し、算数における概念の理解と活用を検討した。さらに、前年度の公開シンポジウムの発表内容に基づき、「一人一人の子どもの豊かな学びを実現するための授業研究の役割」についての検討内容を取りまとめた。また、インドネシア教育大学のヘンダヤナ スマール氏との連携に基づき、コンピテンシーを重視するインドネシアの教育改革や、コロナ禍における探究的な学びのあり方について、氏の論文日本語に翻訳した。 次に、本研究では授業記録に基づく授業分析を通して授業理論を構築(再構築)するために、個別性と一般性の両立を図るための研究方法論上の課題を追究している。そのために、1960年代の名古屋大学の重松グループと北海道大学の砂沢グループの研究を比較し、授業記録をもとにした授業研究による子どもの思考過程の解明の可能性と課題を明らかにした。また、生徒の発言に潜在している意図や含意や文脈を顕在化するために「中間項」の記述形式を考案し、現実社会の問題の解決を志向した社会科授業に適用した。さらに、授業の特徴と指導者の指導方略を明らかにするために、学習内容の関連構造を分析する授業分析の手法を考案し、大学数学講義の授業を対象に分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響を受けたたが、授業記録の収集、分析、研究手法の開発・改良、授業理論の再検討について、研究を進めることができた。授業記録収集・分析のプロトコルの標準化とシステム開発については、取り組みを加速する必要があるが、全体としてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
国内外での授業記録の収集・分析を継続しつつ、授業論および研究方法論に関する理論的知見を整理しつつ、研究倫理に配慮した授業記録収集・分析のプロトコルの標準化と、各種の授業分析手法を統合したシステム開発を継続する。
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