本研究は、アジア諸国を中心に普及している日本発信の「学びの共同体の学校改革」の研究と実践の国際交流を目的とした。本プロジェクトは、2014年以来、研究代表者が継続してきた「学びの共同体の学校改革」の国際交流を行い、改革の研究と実践の達成度を実証的に評価することを目標として実施された。 その目標追求において、2020年度は新型コロナによって海外渡航と対面式国際会議が不可能となり、この制約により2020年度の計画の1部は2021年度に持ち越されたが、2021年度も上記の制約は継続した。しかし、2年間にわたる制約にもかかわらず、本プロジェクトは「21世紀型の授業と学び=探究と協同の学び」を各国の事情に対応して推進し、研究対象とした諸国において期待以上の前進を達成した。具体的には、本研究に協力した中国、韓国、台湾、インドネシア、タイ、ベトナム、イギリス、メキシコの諸国において多くのシンポジウムと教師研修ワークショップをオンラインで開催し、新型コロナ下においても「21世紀型の学校」を標榜する授業と学びのイノベーションを推進することができた。さらに各国の教育研究者相互のネットワークおよび国際間の研究ネットワークを緊密化することも実現し、協同研究の書物と論文の翻訳と刊行も準備してきた。 それらの成果の一つとして、第9回目の国際会議は、海外ではなくオンライン配信が容易な日本で開催されたが、昨年度と同様、これまで以上の海外からの参加国と参加人数を達成し、22か国2000名以上の研究者、教師が参加した。海外訪問と対面式国際会議を実現できなかったことは残念であったが、2020年度と2021年度にオンラインによる改革ネットワークへの参加国と参加人数が一挙に拡大したことは重要な成果である。
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