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2019 年度 実績報告書

中学時からの親子パネル調査を活用した格差・不平等に関する領域横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01637
研究機関東京大学

研究代表者

藤原 翔  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)

研究分担者 中澤 渉  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00403311)
田淵 貴大  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター疫学統計部副部長 (20611809)
川田 恵介  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (40622345)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード教育機会 / 格差・不平等 / web調査 / 親子調査 / 社会階層 / 教育社会学 / 健康 / 若者
研究実績の概要

これまで,2015年度に中学3年生であった子どもとその母親に対する調査(1984ペア対象)を行い,2017年度に追跡調査を行った.本プロジェクトはさらに高校卒業からの3年間の継続調査を行い,様々な側面についての変化の情報を把握し,社会経済的背景,学校生活,意識・態度そして教育達成がその後の社会,経済,政治,健康に関するアウトカムにどのような影響を与えているのか,その因果関係とメカニズムを解明する調査を行う.
本年度の調査では,これまでの調査項目で今後も必要と考えられる項目を維持しつつ,子どもについては就学,就業,意識・態度や健康状態・健康行動などをたずねた調査票を作成した.母親についても同様の方針で調査票を作成した.そして,2015年度に中学3年生であった子どもとその母親に対して2019年12月からweb調査をおこなった.すでに就学していて自宅から離れている子どもについては,母親からの依頼書の転送で対応した.調査の結果,子ども941名(51%),母親1278名(69%)からの回答を得られた.この回答をこれまで得られたデータとマージし,パネルデータを構築した.回収率は決して高くはないが,中学から大学進学・就職までの本人,母親,家庭の状況を分析できるデータを作成することが可能となった.なお,回収の偏りについては重み付けなどで対応する予定である.また,論文「教育,家族,危機:学校に対する評価の社会経済的差異とその帰結」として,教育期待の社会経済的格差の生成メカニズムを分析した結果を報告したが,同様の結果は,実際の教育達成に関する変数を用いても確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

web調査を用いて,母親と子どもに対しての調査を無事完了することができた.回収率は高くないものの,十分なサンプルサイズのデータを構築することが可能となった.回収率が低かったことについてはまずどの層において回収率が低いのかについての分析とそれから作成されるウェイトを用いて検討する.また,これまでの回答を用いた教育社会学的な論文を発表すること,そしてパネルデータを用いた再分析を行うことができた.

今後の研究の推進方策

基本的には今後も同様の調査項目を準備し,web調査を行う.web調査2年目にはパネルデータ分析が可能となるので,パネルデータ分析から格差や変化の記述を行う.なおCOVID-19の影響もあることからこれらについての最低限の情報も含めつつ,若者やその家族の対応について,分析を行っていく予定である.回収率が低かったことについては,ウェイトなどを用いた対応を行うことや回答拒否のメカニズムについての検討を行いつつ,調査会社と協力し,高い回収率を維持できるような方法を検討する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Socio-Economic Standing and Social Status in Contemporary Japan: Scale Constructions and Their Applications2020

    • 著者名/発表者名
      Fujihara Sho
    • 雑誌名

      European Sociological Review

      巻: 36 ページ: 548~561

    • DOI

      10.1093/esr/jcaa010

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教育社会学における因果推論2019

    • 著者名/発表者名
      藤原翔
    • 雑誌名

      理論と方法

      巻: 34(1) ページ: 65-77

  • [学会発表] 生徒とその母親に対する近隣の影響2019

    • 著者名/発表者名
      藤原翔
    • 学会等名
      第68回数理社会学会大会
  • [学会発表] 日本社会における3世代学歴移動の分析2019

    • 著者名/発表者名
      藤原翔
    • 学会等名
      日本教育社会学会第71回大会
  • [学会発表] ウェブを活用した社会調査の新展開2019

    • 著者名/発表者名
      藤原翔
    • 学会等名
      第92回大会日本社会学会大会
  • [図書] 人生の歩みを追跡する:東大社研パネル調査でみる現代日本社会2020

    • 著者名/発表者名
      石田浩・有田伸・藤原翔編
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-60326-8
  • [備考] Sho Fujihara's Page

    • URL

      https://sites.google.com/site/shofujihara/research

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公開日: 2021-01-27  

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