研究課題
2024年度は研究期間を延長による本研究最終年度となった。少子化のみならず人口減少のグローバル化が懸念されている昨今、各国・地域の子どもの権利保障の政策展開の動向を視野に入れつつ、少子家族の子ども観と権利保障の歴史的展開、子ども政策の実現条件としての家族構造、ジェンダー・バランス、子どもの生活実態についての解明を試みた。現代社会で形成された子どもの権利思想の背後にある西欧近代社会の子ども観、他地域での受容の実態、子ども観の受容と変化の力学を生む文化・宗教・社会・経済・政治などの諸要因等について、今後の研究に繋がる知見を得ることができた。近代家族と近代的子ども観が敷衍した19世紀を対象とした研究として、イギリスの親子隔離政策(森本、並河)、フランスの礼儀作法書や子ども期をモチーフとした章節に描かれた子どもの権利概念(日岡)、さらには現代日本における子どもの権利保障の現状と課題(稲井)、旧ソ連4ヶ国(カザフスタン、アゼルバイジャン、ベラルーシ、アルメニア)の子ども政策に関する比較研究(村知)。また、子どもの意見表明権を保障するための実践的取組としての「哲学対話」やP4C(Philosophy for Children)に関する思想史的研究(太田)や教育実践研究(佐藤)等、研究的な前進を見た。研究成果の公表については、世界子ども学研究会研究例会(第31回:東京池袋、第32回:東京白金)や日本教育学会第82回大会(ラウンドテーブル:オンライン)、幼児教育史学会第19回大会(シンポジウム:青山学院大学)等、研究会や学会活動を軸として、研究発表を行った。また、世界子ども学研究会紀要HALCYON NO.11 には、村知、森本、太田の研究論文をはじめ、研究協力者の北本の論考も寄せられた。その他、研究分担者が所属する大学研究紀要や学会紀要、書籍等を通じて本研究の成果が論文としてまとめられ、公表されている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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青山学院大学教育人間科学部紀要
巻: 15 ページ: 37~58
ハルシオン(世界子ども学研究会)
巻: 11 ページ: 70~74
巻: 11 ページ: 75~81
巻: 11 ページ: 31~41
巻: 11 ページ: 43~56
幼児教育史研究
巻: 18 ページ: 55~68
ヴィクトリア朝研究(日本ヴィクトリア朝文化研究学会)
巻: 21 ページ: 98~108
日本の教育史学(教育史学会)
巻: 66 ページ: 180~182
10.15062/kyouikushigaku.66.0_180
巻: 112024 ページ: 57~60
社会事業史研究(社会事業史学会)
巻: 63 ページ: 85~91