研究課題/領域番号 |
19H01656
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
古谷 嘉一郎 北海学園大学, 経営学部, 准教授 (80461309)
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研究分担者 |
吉田 弘司 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (00243527)
森野 美央 長崎大学, 教育学部, 准教授 (00413659)
加藤 孝士 長野県立大学, 健康発達学部, 准教授 (10631723)
中村 菜々子 中央大学, 文学部, 准教授 (80350437)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子育て / バーンアウト / Webツール / 完全主義 / 志向の偏り |
研究実績の概要 |
1) 子育てバーンアウト尺度PBA(Parental Burnout Assessment: PBA;Roskam et al., 2018)と2種類の完全主義(完全主義的努力、完全主義的懸念)の関係の検討について:日本サンプルについて、現在完了し、英文雑誌の特集号に投稿予定である。 2)あいまいさ不耐性以外の「思考の偏り」を媒介要因とした完全主義からバーンアウト(PBA)への影響の検討:資料収集、検討を行い、すべての思考の偏りを前提とすることについては新たな課題が生まれた。思考の偏りすべてに対応する場合、その介入システム構築が非常に複雑になるためである。そのため、思考の偏りについて精査する必要がある。 3)Webツール作成の打ち合わせ、設計:PBA測定、そしてそれに合わせたプロトタイプを作成した。ただ、Webツール作成において、回答者の負荷の問題が浮上した。つまり、子育て中の親に対して、Webツール利用といった形態では、思考の偏りに対する介入の時間がそれほど多くとれないという問題が生じた。 4)子育てバーンアウト、子どもの発達理解等にかかわる研究知見についての解説を作成した。また、パーソナリティについての理解を深めるために書籍翻訳を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたPBA尺度と完全主義の関係については十分な成果が得られた。また、国際調査についても成功しており、海外共同研究者とともに論文公開を試みている。加えて、先んじてPBA尺度日本語版(PBA-J)については、Parental Burnout< https://en.burnoutparental.com/instruments-and-materials>にて、すでに公開を行っている。 Webツールについても、申請時から比して、様々な問題点が浮上した。これらを可能な限り改善し、対応を行う予定である。 また、収集した研究知見をまとめ解説を行った書籍、Webツール作成のための基礎的知見となる調査検討を実施した報告を作成している。
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今後の研究の推進方策 |
PBA尺度は、今後アウトカム用の尺度として使えるようにしたい。そのため、カットポイント等の検討を行う予定である。また、Webツールでの介入については、現在共同研究者とのディスカッションを踏まえ、認知の偏りのみならず、情緒的な観点からの介入を試みるアイデアを考えている。そのための基礎的な調査を行う予定であり、現在予備調査を行い、精査している。ただし、新型コロナウィルス問題のために、通常時と異なる状況(例えば、小在宅勤務、子どもが常時自宅にいるなど)であることから、新型コロナウィルスの影響を踏まえることを留意する必要がある。これについては、新型コロナウィルスとバーンアウトの関連について、国際調査の依頼が来ているため、まずそれをもって対応する予定である。
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