研究課題/領域番号 |
19H01661
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
安藤 秀俊 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70432820)
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研究分担者 |
金児 正史 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00706963)
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 講師 (50773016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 理数教育 / 理科 / 数学 / 理数探究 / クロスカリキュラム |
研究実績の概要 |
資源の乏しい日本にとって,国の将来を左右するのは科学技術であり「理数教育の充実」は喫緊の課題であり,両教科の関連性を実感できるようなクロスカリキュラム的な教材の開発と指導を行う必要がある。本研究の目的は,わが国の科学技術の醸成に寄与する「理数教育の充実」を目指すことで,以下の3点である。 (1)理科と数学の関連性を実感できる教材や指導プログラムを考案し,中等教育における「理数教育の充実」につながる学習デザインを構築する。 (2)学習デザインに基づき,中学や高校で授業実践を行い,その教育的効果を検証する。 (3)「理数教育の充実」に向け,理科と数学の最適な連携を育むための条件を明らかにする。 上記の目的を達成するため,本研究では,平成26年から立ち上げている「理数教育研究会」のメンバーを中心に,日本科学教育学会において「「理数教育の充実」に向けて,理科と数学の関連性はどうあるべきか?Ⅰ~Ⅸ」という一貫したテーマで「課題研究発表(企画応募)」を行い,理科教育と数学教育の研究者および学校現場の教員らを交えて,理数教育の現状について議論した。これらは延べ21編の課題研究発表に報告されている。また,こうした理数教育の理論的な調査・研究の一方で,高等学校に新科目として設置された「理数探究基礎」の指導事例を模索し,オウムガイの螺旋の観察からベルヌーイ螺旋の一般式を導出する数学的なアプローチを取り入れた教材の開発や,鏡による万華鏡の三角形を成立させる角度(3つの角全てが偶数個で一周する)を不定方程式の整数解を求めることから導かせる教材の開発などを行い,複数の高校学校で実践し,その教育的な効果について検証した。その結果,これらの開発した教材は,理科と数学の関連性を学ぶ上で有意な教育的効果があることが示され,理数教育の充実につながる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における実践授業の実施に向けて協力校と調整を続けてきたが,予期せぬ新型コロナウイルスの更なる感染拡大の影響で、令和4年10月に協力校(高等学校など)から実践の延期要請があった。その後状況は変わらず、令和5年2月3日に協力校から成果取りまとめに不可欠な実践授業の年度内実施が不可能との連絡があり、当該事業の授業が実施できず12か月の遅延が発生することから、年度内の事業完了が困難となった。代替措置として対面以外の授業実践の実施を検討したが,この実践授業は臨床的効果の検証を目的とする為、オンラインの代替実施は困難であり,実践の繰越を要請している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,当初3年間の予定であったが,2020年よりコロナウィルスが世界的に蔓延し,本研究に関わる研究分担者や研究協力者との対面での議論,国内・国際学会での発表,アメリカの理数教育の先進的な学校への視察などを実施することができなくなった。このような状況の中でもいくつかの理数教育に関する教材の開発を行うことはできたが,その開発した教材を全国の中学校や高等学校で実践する機会がことごとく中止,遅延された。 今後は,コロナウイルスの終息を期待し,予定されていた高等学校などで理科と数学に関する開発した教材を用いて,授業実践を行う。これらの教育実践では,授業の実践前後でアンケートを行い,本プログラムを実施したことに対する思考力,判断力等の意識の変容を調査し,構造方程式モデリングやテキストマイニング,コレスポンデンス分析を行い,認知的な側面からも教育的な効果を検証し,研究課題の核心をなす学術的な問いである『科学技術立国の再生を企図した「理数教育の充実」に向けて,理科と数学の関連性はどうあるべきか』という研究課題の解答を明らかにし,本課題の結論を導く予定である。今後,可能な限り教育実践を積み重ね,開発された授業デザインとともに日本理科教育学会,日本数学教育学会等の学会で発表するなどして,社会に還元していきたい。
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