研究課題/領域番号 |
19H01668
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小松 孝太郎 筑波大学, 人間系, 准教授 (40578267)
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研究分担者 |
中川 裕之 大分大学, 教育学部, 教授 (00450156)
真野 祐輔 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10585433)
辻山 洋介 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10637440)
宮川 健 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30375456)
濱中 裕明 兵庫教育大学, 連合学校教育学研究科, 教授 (20294267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 数学教育 / 協働 / 探究 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
本研究では,(1)学校数学における協働型探究活動を促進する教材の開発原理を構築すること,(2)開発した教材を中学校及び高等学校で実践し,その結果を分析することにより,教材の開発原理の有効性を明らかにすることを目的としている。 本年度は次の二点に取り組んだ。第一に,研究の方法論としてデザイン研究を採用し,教材開発研究の方法論の整備を行った。まず教材開発原理の意味を,内容・活動固有性と理論性および実証性の観点から特徴付けた。次に,デザイン研究に関する先行研究の枠組みに,教材開発原理の開発という本研究の焦点を加味して,教材開発原理の開発に関する研究の枠組みを構築した。そして,この枠組みの中でも,研究と教材開発原理の開発との関係に焦点を当てて,既存の研究から例証を行った。 第二に, 協働型探究活動のいくつかの側面に焦点を当てて,教材開発原理の設定およびそれに基づく教材の開発を行った。例えば,証明のアイデアの把握と適用に関する教材開発原理として,「一つの命題とその証明をよんで,筋道図から本質的な条件と証明のアイデアを明確にし,それに基づいて同様に証明できる命題を探す機会を設けること」等を設定した。また,図形の求答問題をもとにした数学的探究に関する教材開発原理として,「条件を意図的に曖昧にした求答問題から探究を始めること」等を設定した。そして,それぞれの教材開発原理に基づいて教材を開発した。 上述の研究活動と並行して,各種学会(日本数学教育学会,日本科学教育学会,全国数学教育学会等)に参加し,研究情報の収集および研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画を達成することはできたが,コロナ禍の影響でそれが1年遅れての達成となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,フランス数学教授学の観点から,教材開発研究の方法論に関して更なる検討を加える。また,数学的対象の探求と必要条件の意義の顕在化等,協働型探究活動のいくつかの側面に焦点を当てて,教材開発原理の設定,教材の開発と実践,実践の分析を行う。
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