研究課題/領域番号 |
19H01675
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
桑原 敏典 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70294395)
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研究分担者 |
渡部 竜也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10401449)
井上 昌善 愛媛大学, 教育学部, 講師 (10824104)
橋本 康弘 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (70346295)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 主権者教育 / グローカル / シティズンシップ教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、ローカルな社会課題の解決を通してグローバルな市民としての資質を育成する主権者教育のあり方を提案することを目的としている。新型コロナ感染症拡大のため、当初からは計画を大幅に修正しなければならなかったが、今年度については国内においてローカルな課題に解決に取り組む高等学校の調査を、海外においてはヨーロッパのシティズンシップ教育の調査を実施した。岡山県内の複数の高等学校において、ローカルな社会課題の解決を目指した探究学習を調査した。さらに、学校だけではなく、図書館等の公共施設におけるシティズンシップ教育の実態調査も行った。また、海外への渡航が可能になったことから、岡山大学と連携協定を結んでいるスロベニア共和国のリュブリャナ大学で行われた両大学主催のESD研究に関する事業に参加し、リュブリャナ大学の研究者や大学院生と、シティズンシップ教育、特に、ESDに関わる研究交流を行なった。 研究のとりまとめについては、『社会系教科教育学論叢』等に成果報告を行なった。同報告の中では、シティズンシップ教育としての論争問題学習のプログラムを開発・実践し、プログラムを通して学習者の意見がどのように変容したかを、大学生に対する実験授業を通して検証した。結果として、指導者からの働きかけによって他者との調整によって自分の意見を修正していく者がいる一方で、問題によっては自分の意見を変えることなくより強固なものとする者がいることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症拡大のため、研究計画の大幅な変更を余儀なくされたものの、当初予定していたものに代わる調査を国内及び海外において実施することができており、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の拡大もおさまり、調査活動が再開できるようになったことをふまえて、下記の三点を中心に今後研究を展開する。第一は、ここまでの国内調査の成果を中心に論文を作成し、学会の紀要等に投稿することである。特に、グローバル・シティズンシップ教育に取り組む高等学校に対する実態調査の成果についてデータの分析を行い、論文化を進める。第二は、高等学校におけるグローバル・シティズンシップ教育実践に関する調査を引き続き行い、学習者の変容等に関するデータを収集することである。第三は、海外のシティズンシップ教育研究者と研究成果に関する意見交換を行い、調査結果の見直しを行うことである。 今後、本研究をグローバル・シティズンシップ教育に関する教員研修のプログラム開発研究につなげる見通しを立てたいと考えている。
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