研究課題/領域番号 |
19H01679
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
村田 育也 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (80322866)
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研究分担者 |
阿濱 茂樹 山口大学, 教育学部, 准教授 (00361973)
河野 稔 兵庫大学, 健康科学部, 准教授 (40330500)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 情報モラル / 調査研究 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
2019年度,研究代表者(村田)及び研究分担者2名(阿濱,河野)は,北九州市教育委員会指導部指導二課に所属する研究協力者2名と協議しながら,メディア使用と学力等の関係を調べるための実施可能なアンケート調査紙を作成するとともに,調査の規模と対象を決定して調査協力校を選定した.アンケート調査紙については,先行研究を精査し,庄司一子(1993)による児童のセルフコントロール尺度と,独自に開発したダンバー数尺度を加えた調査項目を検討し,小学生用,中学生用,高校生用のものを作成した.選定した調査協力校には,対象の児童生徒の人数分のアンケート調査紙と調査カードを印刷し,すべて配付することができた.しかし,新型コロナウイルス感染症対策による休校措置のため,調査協力校の半分以上でアンケート調査を実施できなくなり,そのため2020年度にアンケート調査を再実施せざるを得なくなった. 授業実践研究については,挑戦的萌芽研究(課題番号:26590226)ですでに開発した小冊子教材「むかし話で考えて学ぶ情報モラル」を用いた授業実践を,宗像市内の小学校で2時間実施することができた.その成果を学会で発表するとともに,授業方法の改善のために分析を行った.子どものための哲学(P4C)の手法によって,主体的・対話的に「考える」ことを通して,考え方と態度に結びつける授業の実現に向けて,よいスタートを切ることができた.授業手引書については,作成方針を研究代表者・分担者で協議した.具体的な作業は2020年度以降に実施する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
北九州市教育委員会と連携して実施するアンケート調査の準備については,順調に進めることができた.先行研究を精査し,セルフコントロール尺度とダンバー数尺度を加えた調査項目を検討し,小学生用,中学生用,高校生用のアンケート調査紙を作成した.ところが,新型コロナウイルス感染症対策として全国の学校の休校措置が取られたため,アンケート調査を半数以上の調査協力校で行うことができなかった.アンケート調査については,翌年度に再実施することになったが,得られるはずのデータを入手できなくなり,本研究の進捗に遅れが生じてしまった. また,小冊子教材「むかし話で考えて学ぶ情報モラル」を用いた授業実践を,宗像市内の小学校で行うことができたが,その後の各学校における新型コロナウイルス感染症対策によって,継続した授業実践が非常に困難になった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症対策によって,北九州市教育委員会と連携して実施していた2019年度のアンケート調査が一部しかできず,2020年度に再実施することになったことと,授業実践の機会を得ることが困難になったことから,2020年度からの研究の進捗にも,大きな遅れが生じることが予想される.2021年度以降に,アンケート調査データの分析,授業実践研究,教材開発,授業手引書作成などの研究活動を同時に速やかに実施する必要に迫られることが予想される.この事態を乗り越える方策として,研究補助員の雇用について検討したい.
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